■スポンサードリンク


湾岸の敵
湾岸の敵
湾岸の敵
湾岸の敵
湾岸の敵
湾岸の敵
湾岸の敵
湾岸の敵
湾岸の敵
湾岸の敵
湾岸の敵
湾岸の敵
湾岸の敵
湾岸の敵
湾岸の敵
湾岸の敵
湾岸の敵
湾岸の敵
湾岸の敵
湾岸の敵
湾岸の敵
湾岸の敵
湾岸の敵
湾岸の敵
湾岸の敵
湾岸の敵
湾岸の敵
湾岸の敵
湾岸の敵



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!

湾岸の敵の評価: 4.00/5点 レビュー 2件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.00pt
Created with Highcharts 5.0.100件0.00%0件0.00%1件50.00%0件0.00%1件50.00%得点得点☆1☆2☆3☆4☆5


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(5pt)

団塊世代の米海軍軍人の目で見た世界は、我々とはだいぶ違う

イラン・イラク戦争(1980-1988)当時の中東を舞台にした『近過去』海軍小説。

本書が描かれた時代背景から約40年近くの時間が経過したというのに、アメリカとイランの一触即発の、中東の力学的関係は殆ど変わっていない。
 中東問題に関して、日本が主力プレーヤーどころか、プレーヤーですらないのがかったるい。

 海軍軍人あがりの著者の目でみたリアルな米海軍艦艇乗組員の日常と内情が、これでもかというくらい綴られている。

 のっけから、海軍・海事専門用語と個艦の艦名が飛び交うので、ただの活劇小説と思って読み始めた日本の読者の何割かは、ほどなく投げ出してしまうのではないだろうか。

老朽化した木造の米海軍掃海艦(鈍足なのは現代の最新鋭掃海艇も同じ)で構成された掃海部隊が、嵐のなか、ヨタヨタと大西洋を横切ってペルシャ湾に到達する様は、まさにその少し後、湾岸戦争後の1991年に我が日本海軍(海上自衛隊の自称:Japanese Navyは、他に訳しようがない。 海上自衛隊とは国内向けの仮名。)の掃海部隊がインド洋を回ってペルシャ湾に到達し、難易度の高い残存機雷掃海に大活躍した史実!を想起させる。

話を戻すと、主役のフリゲイト(当時は新鋭艦)オリヴァー・ハザード・ペリー級は、建造費圧縮を旨として斬新な設計で同型艦を50隻以上、大量建造した汎用護衛艦(いわゆるワークホース)であるが、実のところ、あまり軍艦らしかぬ艦形は、昔ながらの艦船ファンにはあまり魅力を感じさせない艦種であった。

しかしこの小説を読むと、オリヴァー・ハザード・ペリー級は意外とおもしろい艦であったのだな、と思う。 
過去形で書いたのは、もはや米海軍に本級は現役では残っておらず、同盟諸国(日本には導入されていない)で若干数が稼働しているだけの、半ば、過去のフネだからである。  本級に核兵器(といっても、長距離対空ミサイルだが)が積まれていたことは、月刊誌「世界の艦船」の読者である私も初耳だった。

本論を少し外れるが、日本の艦船ファンの間では本級は「オリヴァー・ハザード・ペリー級」とフルネームで知られているが、本書の訳では「ペリー級」で心許ない。

旧式駆逐艦チャールズ・F・アダムス級もエピソードが随所に登場するが、これもなぜかチャールズ・アダムス級と、ミドルネームFが省略されて違和感を覚えた。

ストーリー展開はややもたつきを感じ、少数派の黒人士官たちの孤独感、同じ艦艇に乗っていても職種の違いからくる反目、学校でいえば教頭にあたる副長(先任将校)の気苦労、実際に起こった事件をモチーフにしているとすぐわかる数々のエピソード・・・。 一体、この本の主人公はフリゲイトの副長・レンソン少佐なのか、それとも新任の艦長・シェーカー中佐なのか、少なくとも上巻を読み終えた時点ではよくわからない。

日本人(間抜けな観光客として登場)、アメリカインディアン(プエブロ族の青年が、ジャンキーの乗組員として登場)、アラブ人や黒人への上から目線、ペルシャ人(イラン人)特にイスラム原理主義の宗教政権とその軍事組織である革命防衛隊に対する著者の感情は憎しみの域に達していて、日本の読者としてはあまり気持ちはよくない。

小説の形を借りた海事情報誌、当時の米海軍軍人が語った戦史として読む分には興味深い本であった。

(下巻を読みつつ、全体の感想を記した)
湾岸の敵〈上〉 (創元ノヴェルズ)Amazon書評・レビュー:湾岸の敵〈上〉 (創元ノヴェルズ)より
4488801129

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!