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すげ替えられた首



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すげ替えられた首の評価: 4.00/5点 レビュー 4件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全3件 1~3 1/1ページ
No.3:
(5pt)

サイコスリラーの原点にあたるかもしれない重要作

アメリカで、首が挿げ替えられる猟奇事件が発生し・・・というお話。

原著の刊行が、84年で今は2024年という事で、40年くらい経ちますが、些かも古びていないサイコスリラーでした。

古くなっていない要因として、ベイヤー氏の才能(文章の上手さ、人間心理への深い洞察など)が挙げられるかと思います。

これらのサイコ物の以前の心理サスペンス(ニューロティック・スリラー)があまり犯罪者の思考に立ち入らないで、そこから現れる現象を軸にした物が多かったと思いますが(手抜きではないですけど)、これらのサイコ物は犯罪に至る精神に深く分け入り、何故そのような行為に至ったかを深く掘り下げていて、個人的には評価されるべきだと思います。

この後、88年(日本での翻訳は89年)サイコ物の決定版とも言うべき、ハリス氏の「羊たちの沈黙」が刊行されますが、その流れの先駆的な作品として、忘れたらいけない作品だと思います。

内容が猟奇的という事で、不快感を感じる方もいらっしゃるだあろうし、実際に気持ち悪いですが、現実にも、似た様な犯罪が増えるので、そういう現実を切り取った記録としも重要かと思います。

サイコスリラーの原点にあたるかもしれない重要作。是非ご一読を。
すげ替えられた首 (サンケイ文庫―海外ノベルス・シリーズ)Amazon書評・レビュー:すげ替えられた首 (サンケイ文庫―海外ノベルス・シリーズ)より
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No.2:
(4pt)

正統派の警官小説

週刊文春1986年 海外6位

引退した先輩刑事の自殺の報を受け、傷心するフランク・ジャネック警部補。葬儀に出席したジャネックは、上司から殺人事件の捜査を命じられる。それは、ほぼ同時に殺害された女教師と、娼婦の刺殺事件だった。住んでいる場所も、境遇も違う二人の女性。彼女らを繋ぐものは、首が切断され、互いにすげ替えられていたことだった ・・ ・

MWA受賞作『キラーバード、急襲』に登場するフランク・ジャネックが主役。

すげ替えられた首事件と並行して、先輩刑事の自殺の謎を解明していくという趣向になっている。2つの事件に直接の関係はないのだが、ジャネックが捜査を担当することになった隠された意図が、彼の有能さを証明することになる。

猟奇殺人事件の異常性に目が引かれるが、捜査は足を使ったいたって正統派の警官小説。犯人の思考を予測し、徹底的に証拠をひろい集めるという、過程が描かれていく。ジャネックの個人技より、組織マネジメント力の描写に力点が置かれているように読みとれる。

前半は暗中模索が続いてじれったいのだが、後半から芋づる式に新たな証拠は発見されスピード感が増してくる。謎ときや意外性は皆無なので、犯罪捜査そのものをじっくり楽しみたい方にお薦め。

ありがちなロマンスは大目にみるとして、カタルシスは今ひとつではあるかな。
すげ替えられた首 (サンケイ文庫―海外ノベルス・シリーズ)Amazon書評・レビュー:すげ替えられた首 (サンケイ文庫―海外ノベルス・シリーズ)より
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No.1:
(4pt)

ありがちなアメリカン・ミステリーとは一線を画す

何故奇妙な殺され方をしたのか、犯人は誰なのかと楽しく考えながら読めました。殺人事件の犯人探しだけではなく、もう一つの線である師の自殺についても綺麗に解決しており、読後感も良かったです。

主人公も天才というよりはその道のプロとして動き回り、若い女の子に好かれては「何で俺なんか」等と言い出す位等、ありがちなアメリカン・ミステリーの「天才ヒーローと美貌のヒロインが最後のどんでん返しで事件解決」で無い所が面白いと感じました。基本的な描写もしっかりしており好感が持てます。
すげ替えられた首 (サンケイ文庫―海外ノベルス・シリーズ)Amazon書評・レビュー:すげ替えられた首 (サンケイ文庫―海外ノベルス・シリーズ)より
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