3月。中途半端な時期にやってきた転校生・音無彩矢。

*この作品は電撃文庫『僕らはどこにも開かない』を再構築。大幅に加筆改稿し装丁を一新したものです。

鎖の音がする。高校受験やら恋愛だかで辛苦を味わっている奴らを縛る、鎖の音。

「さあ、最後の対決だ。星野一輝くん」“O”は手を広げる。

「お前、“O”と関わっているだろ?」クラスメイト・大嶺醍哉が、星野一輝に向かって発したその言葉は、新たな“箱”への入り口だった。

氷鉋清廉。警察も頼りにする精神科医にして、美学に満ちた殺人鬼・マスカレード。

大嶺醍哉が手にした箱は“罪と罰と罪の影”。

彼女は、「わたし」の親友。陸上部に所属していて、クラスは違うけどいつも一緒に下校している親友。

繰り返しの日々の果てに、再び星野一輝の前に現れた音無麻理亜。しかし、ふたりで過ごす穏やかな時間は長くは続かない。

人を傀儡化し、世界を支配しようとする醍哉を捕らえたのは、一輝が展開した箱“願い潰しの銀幕”。

純聖和学園の前生徒会長であり、おかしいくらい美しい存在。

「ああ…分かったよ。僕が―僕が、『王』になってやる」クローズド・サークル『王降ろしの国』。

アナタの1票が、彼女の生死を決める。 始めますよ。

「ウラシマトンネルって、知ってる?そこに入れば欲しいものがなんでも手に入るんだけど、その代わりに年を取っちゃうの―」。

美貌の科学者・平賀と、古文書と暗号解読のエキスパート・ロベルトは、バチカンの『奇跡調査官』。

高校三年生の俺・君塚君彦は、かつて名探偵の助手だった。

大学院生・栗栖川亜理は、最近不思議の国に迷い込んだアリスの夢ばかり見ている。