内宇宙への旅
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倉阪鬼一郎を読むのは12年ぶり。「恐怖之場所 死にます」を軽い気持ちで手に取って震え上がり、うわー怖い、とホラー怖がりなチキンの筆者、以後15年間著者の膨大な著書も取る気にならなかったリトルハートですが(苦笑)12年経っても、おそらく著者には書き飛ばしの小品であろう作品を覚えているのだから本物である(あるいは筆者にホラー耐性がない) しかしこれはSF?と思って(タイトルがそれっぽい)読み始めたら、徳間デュアル文庫の想定よりは難解で高尚な文体ではないかと思う、自分の過去を分析する内容がつづき、しかもその前半は(他のレビュアー様も指摘のように)あっと驚く仕掛けがあり、この内容をその仕掛けを作りながら単語をはめ込んで100ページ持たせた著者のテクニックに仰天した。 内容は小野不由美「屍鬼」みたいな所もあるのだが、しかし一つの寒村を征服してもどうかなあと疑問もなくはない(これまたワンパターンの疑問でしょうけど)。しかし倉阪さんの作品は、「恐怖の場所」もそうだったが、私小説的というか作者の自己開示があり、その部分を読むとけっこう好い人なんではないかしら、と思わせるほんわかほのぼのした人格が感じられ、内容は進化ものSFのような部分もありながら、結局は著者の持ち味のホラーになるので、楽屋落ち的な部分がその恐怖を緩和してくれるのが(筆者のようなチキンには)読みやすくて有難い。 率直に申して文章の重みでずっしりとしたインパクトを与える方ではない。テーマをきちんと突き詰めればクラークばりのSFになりそうだが、内容的には私小説的バックグラウンドを含めた田園すこし・ふしぎ風ホラーで、衒学的な文章とテーマの重さの割に内容はけっこうバカっぽい?と苦笑的に面白がりつつ読了。ところどころ著者の発見とか考察が入り、 ・吹けば飛ぶような地方都市なのに、そこが世界の中心だと思い込んでいるのが田舎者 ・ケーブルテレビは静止画のコマーシャルばかり と吹き出すようなユーモラスな所もあり、反面 ・ベルクソンの陰に隠れて無名だが、ジャン・マリー・ギュイヨーによると時間観念は空間観念に後続する と思索的教養を見せつつそれが内容に接続されていく。そういう所は考えさせられる所もあったが、しかし、今になると徳間デュアル文庫が想定していた「ジャンルを横断したライトなエンタメ」を模索していたのではないかと想像される内容にしては重たかったのではないかなあ、と、2002年に刊行されて21年後に初読しての感想だった。 徳間デュアル文庫が2023年現在、どういうコンセプトか売りで展開しているのか、あるいは持続しているのかどうかは不明だが…。これも21世紀、SFが壊滅し、ホラーが覇権を取った世紀末のあとのエンタメ方向性の模索の中の一つのうたかたなのだろうか。 | ||||
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現実が溶解していく様子を描いたホラー。 と、最初に書いておいてなんだがオチは清々しいほどのバカネタである。 特筆すべきは前半にしかけられた、無駄に努力を要したであろう仕掛け。 私小説風の身内ネタもあり、コンパクトな割りにお買い得感のある作品だ。 | ||||
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