海と十字架
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最近、やっとこの「海と十字架」が入った「皆川博子コレクション5海と十字架」が発売された。本屋で立ち読みしたが、私はこの偕成社の本を、小学生で読んでいるので、この本が絶版になったのを非常に残念に思っている一人です。確かに皆川博子さんのコレクションで読めますが、これを小学生にも読めるように出版した偕成社は、天晴れだと今でも思っています。何故絶版にしてしまったのでしょうか?私は今クリスチャンになりましたが、当時全くキリスト教に縁が無い私でも、図書館でこの本を読みふけって「キリシタン」「ころぶ」と言う言葉を覚え、おどろおどろしいかつて日本で起きたキリシタン狩りというものに接し、何か怖かったのを覚えています。願わくばこの本が少年少女から読めるように、この偕成社文庫でもう一度再販してくれないかと願っています。表紙の絵も良かったです。今でも覚えています。この皆川博子さんの良い作品を、子どもにも読めるように、再販を強く希望します。 | ||||
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本書は 死の泉、猫舌男爵、双頭のバビロン等執筆なさった皆川先生の初期に書かれた児童書である。 著者の作品を読んだことがあるひとならば独特な幻想的な雰囲気や、ちょっくらアングラテイストなところはわかっていただけるかと思います。 この本は隠れキリシタンがテーマとなっており キリシタン狩りによって家族を亡くした伊太とその下人先で知りあった弥吉が 雇い主のオランダ人の扱いに嫌気がさし、堺行きの船に密航する予定が間違えてマカオ行きの船に乗ってしまいます。 密航したことがばれ危険な目に遭いますが、船長の手助けで何とかマカオで働く様手配してもらいます。 そこで洗礼名マチアスと呼ばれるキリシタンの伊太より少し歳上の日本の少年と出会い、友達になります。 マチアスがマカオにいるのは、父親が日本であまりに厳しいキリシタン狩りをした為、 心を痛めた母親が幼少時マチアスを宣教師と一緒にマカオへ送られた子でした。 しばらくして伊太は雇い主が日本に左遷することになった為弥吉と一緒に日本に帰ることをマチアスに話します。 マチアスも日本にいるキリシタンの残党や父がキリシタン狩りをしていたからこそ日本にいずれ帰らなければ行けないと言います。 ですが伊太は日本で受けているキリシタンの対応の酷さにマチアスは甘い!と怒りに近い思いを抱きます。 そんな伊太の思いとは裏腹にマチアスは日本に帰ってきてしまいます、、。そしてどうなるかというお話です。 この物語は1600年頃のキリシタン狩りの時代背景がとても細かいです。 文章を読んだだけでは時代の想像がつかなかったり船の描写(特に船体部位)が多くて船に詳しくない自分は読むのにとても苦戦しました。 最初〜中盤までは淡々としたお話が続きますがこの物語の一番の読みどころはマチアスの最後の行動じゃないでしょうか。 これは無宗教の日本だからこそマチアスの行為がとても不可思議にも思えてしまいます。 またマチアスと終盤共にいた数馬はそんなマチアスにとても残酷な言葉を投げかけます。 その一言にふらつき頭の何処かでは解っているのだろうけど、それでもマチアスは教えに基づいた選択をします。 そんなマチアスを無宗教の私達はどんな人物だと思えば良いのか考えさせられる作品でした。 | ||||
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