レギュレイターズ



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    初公開日(参考)2000年11月
    分類

    長編小説

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    レギュレイターズ 上巻 (新潮文庫 キ 3-51)

    2000年11月01日 レギュレイターズ 上巻 (新潮文庫 キ 3-51)

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    レギュレイターズの総合評価:7.00/10点レビュー 1件。-ランク


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    バックマン、最後の煌めき

    本書は先の『デスペレーション』の姉妹編である。しかし本書は1985年にガンで死亡したとされるリチャード・バックマンが遺した原稿を1994年、彼の妻が見つけ、それを基に手直しを加えて―という設定で―発刊された作品である。

    姉妹編と云うのはキング名義で発表された『デスペレーション』と同じキャラクターが登場するからだが、キャラは同じでも役どころが異なっているのだ。

    例えばタックという悪霊に取り憑かれた悪徳警官コリー・エントラジアンは元警官として登場する。但し彼は悪徳警官ではなくドラッグとは全く関わり合いのない生活を送りながらも麻薬検査で陽性反応が出たことで馘首させられたのだった。

    『デスペレーション』でタックと対抗できる不思議な能力を持った少年デヴィッド・カーヴァーは本書では親子と子供の名前が入れ替わっている。職業は郵便局員と同じだが、両親がデヴィッド・カーヴァーとカーステン夫妻であり、子供たちがラルフとエレンである。そしてこの一家は本書では特別な存在ではなく、単なる災禍に見舞われた一家に過ぎない。

    またピーター・ジャクソンとメアリ夫妻も、ピーターが『デスペレーション』では文学部助教授だったのに対し、本書では英語教師と教育に携わる面では同じだが、微妙に職業が異なっている。

    『デスペレーション』ではマリンヴィルの付き人だったスティーヴ・エイムズは大学でエンジニアを選択しながらもドラッグや酒とギャンブルで身持ちを崩し、退学になった後はギタリストやDJやプロモーターなどの音楽稼業に身をやつす流れ者的存在として、知人を訪ねに西海岸に向かう途中にポプラストリートに迷い込んだヒッピー風の男として描かれる。
    そして『デスペレーション』でもそうであったように彼はシンシア・スミスとそこで知り合う。ちなみにシンシアは通りにあるコンビニエンスストア、《E-Zストップ24》の店員という役回りである。

    そして『デスペレーション』ではタックに憑りつかれる女性地質学者として登場したオードリィ・ワイラーはギャングによる仕業と思われる銃撃で亡くなった兄夫婦一家の生き残り、自閉症のセス・ガーリンを引き取る女性として登場。実は彼女の甥セスこそがこの摩訶不思議な物語の鍵を握る登場人物でもある。

    ただし全ての登場人物が別設定というわけではなく、中には同じ役柄のキャラクターもいる。作家のジョン・マリンヴィルと元獣医のトム・ビリングスリーの老人コンビがそうだ。

    そして新キャラクターも数多く登場する。
    上に書いたセス・ガーリンやストリート唯一の黒人夫婦ブラッドとベリンダのジョセフソン夫妻。
    ジムとデイヴの双子の息子を持つキャミー・リードにそのジムと付き合っている娘スージーを持つ母親キム・ゲラーとボヘミアン夫婦のゲアリとマリエルのソダーソン夫妻。
    また第一の犠牲者の新聞配達少年ケアリ・リプトンに彼が一目で魅かれる赤毛の娘でスージーの友人デビー・ロス。
    さらに既にポプラストリートから引っ越ししていないホバート親子に亡くなったオードリィの夫ハーブ。

    ただ彼・彼女たちはもしかしたら鉱山町デスペレーションで名のみ、もしくは登場人物表に載っていない端役として登場したキャラクターかもしれないが。

    さらに『デスペレーション』と異なるのは所々に色んな形態の文章や資料が挿入されていることだ。
    手書きのポプラストリートの地図にウィリアム・ガーリンからオードリィ・ワイラーに送った絵葉書。そのガーリン一家が銃撃で殺される新聞記事、〈モトコップス 2200〉のキャラ商品雑誌記事、『モトコップス 2200』の台本、オードリィ・ワイラーのノートに書かれたセス・ガーリンによる絵とそのオードリィ・ワイラーの日記にデスペレーションの地質鉱山技師アレン・シムズの手記とヴァリエーションが様々だ。

    本書のタイトル『レギュレイターズ』はタックに憑りつかれたセス・ガーリンが繰り返し観ている1958年公開のB級西部劇のタイトルで、映画評や台本まで挿入されるこの映画はしかし調べてみるとどうもこれはキングの創作らしい。

    また物語の舞台ももちろん鉱山町デスペレーションではなく、オハイオ州のウェントワース近郊のポプラストリートである。南北に走るその通りを挟んで東西に建っている家の住民たちが彼らたちなのだ。

    ただ物語が進むにつれて、鉱山町デスペレーションが物語に関わってくることが判ってくる。

    そんな舞台と人物像を、いや配役を変えて繰り広げられる物語は6台のワゴンの乗った奇妙なキャラクターたちによる殺戮劇だ。6台の色違いのワゴンに乗っているのは発光する幽霊に軍服を着たエイリアンに灰色の肌をした無精ひげのバックスキンの猟師服を着た男、ナチの制服を着た顔が暗闇の男などなど。

    モトコップスのキャラ達が使う銃は凄まじい破壊力を誇り、次々とポプラストリートの家々を廃墟に変えていく。なぜなら彼らの使う銃弾は通常のそれではなく長さ7インチほどの黒い円錐状のものだ。こんなものをマシンガンで大量にぶっ放すのだから一撃一撃の衝撃は通常の銃弾の数倍になるだろう。これも恐らくはモトコップスがアニメで使う銃弾なのだろう。

    また敵はこのモトコップスだけではない。ハゲワシやコヨーテにクーガー。しかもそれらはかろうじてそれと解る不格好な見たことのない動物たちなのだ。なぜならそれらは幼きセス・ガーリンの画力によって生み出された獣たちだからだ。

    なおこのコヨーテやハゲワシやクーガーは『デスペレーション』でもキャン・タックが使役する動物だった。

    そしていつしかポプラストリート自体が鉱山町デスペレーションの街角へと変わっていく。

    こんなアニメや戯画的な怪物たちが登場するポプラストリートの人々が迷い込んでしまった世界は今でいうなら『アヴェンジャーズ』の世界に紛れ込んだようなものだろう。娯楽映画として観ている分なら痛快だが、いざあの危地の只中に放り込まれたなら、右往左往してどうしようもない絶望感に浸ってしまうことだろう。

    それを裏付けるかのようにポプラストリートの人々は極限状態の中、次第に本性を現していく。

    ただ本書は荒廃感が漂う『デスペレーション』とは違い、最後に救いがある。

    だからこそ私としては両者を比べた場合に本書に軍配が上がるのだ。
    それはつまりスティーヴン・キングとリチャード・バックマンの対決でもある。最後の最後にしてバックマンはキングに勝ったのだと思うことにしよう。
    キングの“ダーク・ハーフ”であったバックマンが“死後”ようやく日の目を見た、そんな風に感じた作品だった。

    ▼以下、ネタバレ感想

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