壁の鹿
- 詐欺師 (129)
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壁の鹿の総合評価:
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全1件 1~1 1/1ページ
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ミュージシャンであり小説家である黒木さんの処女小説、当初はCDアルバムの付録となっていた連作短篇。しかし、あなどるなかれ、その完成度はハンパない! | ||||
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文庫を読むのは久しぶりで重い腰を上げて購入。 最近、黒木渚さんの曲にハマったのでどうしても彼女の書いた作品が見たくなって購入しました。 久々の活字なので前半が読むのが少し億劫だったが、後半になるにつれて物語の世界に没頭し結果的に一気に読み切った。 今作は5つのエピソードの構成となっているが、最後の章でそれぞれの話が結びつくので個人的にスッキリした。 ネタバレになるので詳しくは書きませんが、奇想天外な結びのエピソードが幾つかあり「そうきたか!」と唸りました。 人それぞれの感想になりますが、個人的にそれぞれのエピソードは好きな締め方だった。 総合的に、表現など大物作家に比べて乏しいところはあるもののストーリーは良く出来た作品でオススメです。 (上から目線のようでスイマセン) | ||||
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ミュージシャン黒木渚が文筆家として始動!と世は思うだろう。しかし、彼女の織り成す言葉たちが読後に残す鮮明なイメージや空気感とともに音楽を聴くと、それは逆であったと気づく。本書は、普段はミュージシャンというペルソナをかぶり私たちの前で華麗に舞い踊る黒木渚はそもそも、言語への傾倒を抑えながら音楽という媒体に載せて世の中に言葉を届けている「文筆家」であった、ということがよくわかる作品だ。(それはあたかも、文筆家黒木渚がミュージシャン黒木渚という剥製となって声を発しているかのようでもある。) 物語をまるでパズルのように記号的に自由に組み替える構成も、ポストモダン思想を通過した彼女らしさが垣間見れる仕掛けとなっている。内容的には少々「R指定」の注意を喚起しておいた方がよさそうな箇所もあるが、それも読む者に対するいい意味での裏切りであり、少しも飽きさせなることはない。この点においても、まるで舞台のような演出を魅せる黒木渚が巧みなパフォーマーであることを、またしても「小説の中」で証明したと言えよう。 最後に、黒木渚『壁の鹿』は、なぜ鹿なのか。想像は自由だ。 黒木渚という存在そのものもそうだが、この小説は言語の対話性にこだわった作品だ。言語は独り言であろうと、常に誰かに差し出されたものである。 アンテナが研ぎ澄まされた人ならば、あらゆる信号を私に向けられたものへと変換することができる。例えそれが木々であっても、動物であっても、死者であっても、そして剥製であっても。 つまり、人が発する言語には常にDear~と書き込まれており、同様に、受け取るあらゆる信号に対し私たちはDear~という刻印を見て取る。人間とはそのような生き物なのだ。 そう、Dearの発音はdeer(鹿)と同じ。黒木渚が意識的にこういう理由で鹿を選んだとは思わないが、英語が堪能な彼女の無意識のどこかにおいて、言葉の対話性と鹿が「ディアー」という響きで共鳴していたというのも、あながち間違いではないと個人的には思うのだが…。 (こういう連想も『本性』「東京回遊」を読めばありだな、と思えるのである。) | ||||
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メッセージ性の強い彼女の楽曲と同じくらい、読後の衝撃が強い一冊。歌にも小説にも共通して言えるのは、タイラやあぐりのような、か弱い(とみえる)女たちが持っている強い心。きっと誰もが孤独感を抱きながら、どこかで譲れない何かを持っているはず。その表に出ない思いを、壁にかかった剥製の鹿たちが後押ししてくれる。短編集かと思いきや、最後に物語が繋がっているし、童話っぽい第四章や、猟奇的な第五章もあって、まるで彼女のライブを見に来たかのような錯覚に襲われた。久しぶりにまた歌声を聴きたくなった。 | ||||
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スゴイ! 驚くほど達者でイメージが鮮烈だ!! ミュージシャンだからか、言葉がこなれていて 無駄がなく、人間を見る目が冷ややかだが 捨てきってはいない、絶妙の距離感。 ワンアイディアから、これだけ多くの人間の闇を 描ききるとは。脱帽です。 | ||||
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