【佐伯泰英】
白鶴ノ紅
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天明八年、小梅村の尚武館坂崎道場。庭では九歳になった空也が独り稽古に励んでいた。
天明四年弥生二十四日。粛然と稽古に打ち込む磐音のもとに、霧子から急報がもたらされる。
田沼との激闘の日々は遠くなった。尚武館道場に入門し、兄弟子と立ち合い稽古に励む空也。
改築中の尚武館道場に、読売屋の和蔵が訪ねて来た。聞けば、佐野政言が田沼父子を告発する闇読売をばら撒こうとしているらしい。
安永七年正月。白梅の香り漂う新年早々、尚武館佐々木道場に朱塗りの大薙刀を引っ提げた道場破りが現れる。
小正月を迎えた江戸。佐々木磐音は鵜飼百助のもとを訪ね、愛刀の備前包平を研ぎに出す。
参勤交代で江戸入りした関前藩主・福坂実高を出迎えた磐音は、次期藩主の俊次に剣術の弟子入りを志願された。
かつての許婚・奈緒が身請けされた紅花問屋前田屋が、取り潰しの危機に瀕しているー。
尚武館を追われ、小梅村にある今津屋の御寮でひっそりと暮らす佐々木磐音とおこん。
磐音は、関前藩留守居役の中居半蔵から、実父正睦が藩物産取引で不正を働いた疑いありと告げられる。
千鳥ヶ淵一番町にある高家の屋敷に、おこんらと冬桜見物へと出かけた佐々木磐音。
連日厳しい残暑に江戸が見舞われる頃、坂崎磐音、おこんらは尾張名古屋城下の長屋で落ち着いた日々を送っていた。
甲府勤番支配の任を解かれ、江戸へと還る速水左近。だが、その道中を狙う田沼一派が不穏な動きを見せる。
一面銀世界の紀州姥捨の郷で、磐音とおこんは生まれたばかりの空也を抱き、束の間の安息を得た。
坂崎磐音とおこんは危難に満ちた船旅を経て豊後関前藩へと辿り着く。母・照埜と念願の対面を果たすおこん。
大志を抱き切磋琢磨した友を喪い、豊後関前藩を出奔した坂崎磐音は、江戸・深川六間堀の長屋で浪々の日々を送る。
薩摩国の国境に近い牛ノ峠に、一人の武者修行の若者が辿り着く。