江戸城松の廊下での刃傷に端を発した赤穂藩をめぐる一連の出来事は江戸市中にも暗い影を落としていた。

左近に窮地を救われた縁で、甲府藩に召し抱えられた坂手文左衛門が桜田の上屋敷の修繕を差配すべく、国許から出府してきた。

茶人として名高い天新堂の隠居の万庵が左近のもとを訪れた。

将軍綱吉の娘、鶴姫が病に倒れた。市中で広まりつつある疱瘡にかかってしまったのだ。

娘鶴姫の暗殺を恐れた第五代将軍綱吉に乞われ、世間を欺く仮の世継ぎとして西ノ丸に入って早十二年。

西ノ丸の大手門前で御家人が抗議の自刃を遂げた。

江戸を襲った勅額火事から一年、町の復興は着々と進んでいた。

左近の想い人であるお琴に、思わぬ話が持ち上がった。

将軍綱吉の最愛の娘鶴姫が病のため身罷ったことで、綱吉は鶴姫の夫の紀州藩主綱教ではなく、甥である甲府藩主の綱豊を世継ぎに指名、再度の西ノ丸入りを命じる。

大工の権八と同じ普請場で働く浪人、坂手文左衛門。仕事も真面目に取り組み、権八たち本職の大工とも気さくに付き合う好人物だ。

ぼろ屋敷に住まう謎の浪人・新見左近。だがその正体は、甲府藩の大名であり、将軍綱吉の甥、葵の若さま『徳川綱豊』であった。

幕末、名高い道場主の息子でありながら次男であるが故にその才を隠し生きてきた伊織。

己が娘への将軍綱吉の寵愛を背景に、幕閣内で大きな力を持つようになった老中冬木有泉。

江戸市中で「いちだ」という姓の武家の当主ばかりを狙う辻斬りが現れた。

将軍より新たに町を拝領した信平。 しかし、鷹司町の実情は問題だらけ。

嫡子徳松亡きあと、未だ世継ぎに恵まれぬ将軍綱吉は、母桂昌院の助言に従い新たな法を発布。

長き戦いの末、因縁の闇将軍を討ち果たしち左近。

米問屋のあるじばかりを狙った辻斬りが現れた。

牢屋敷の首打役を務める別所龍玄二十二歳。 介錯人・別所一門の名を背負い、切腹する侍の介錯を頼まれることもある。

貞享元年八月、世を震撼させる事件が起きた。 江戸城本丸御殿で、大老堀田正俊が、若年寄の稲葉石見守に斬り殺されたのだ。

拝領した鷹司町の治安が落ち着いたのもつかの間、 とある読売が話題をさらう。

闇将軍との死闘で岩倉が深手を負った。

貴船屋の企てを退け、無事お琴たちとの再会を果たした左近。

浪人姿に身をやつし、市中に繰りだし、悪を討つ。

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四代将軍家綱の法要の折に、二人組の侍に襲われていた身なりのいい武家の男児を助けた北町奉行所与力の山野辺に頼まれて、高岡藩上屋敷で男児を預かることになった正紀。

松姫を狙うも囚われた刺客・亮才、脱獄す。安息の間もなく、備後布田藩の鉄山に異変。

金貸の鉞ばばあお絹から金を借りた商家の主が首を括って死んだ。孫娘のお鈴は、残された妻子のため、真相を……。

剣術指南役に就けなかったことを恨みに思い、自らが仕える藩の大名行列を襲って、藩主はじめ多数の藩士の斬り殺した人斬り太夫こと赤崎満。

襲われているところを助けた若侍は、とある小藩の姫様だったー。

三島屋のお琴の義理の兄で、左近の幼い頃からの親友、岩城泰徳。

大工の権八が普請場で知り合った浪人、浅島善五。

左近暗殺の黒幕は酒井雅楽頭だったー！爺と呼んで信頼していた大老のまさかの裏切りに衝撃を受けた左近のもとに、さらなる悲報が届く。

甲府藩主の徳川綱豊は次期将軍の座をめぐる争いに巻き込まれるのを嫌い、病と称して藩邸に籠もる体を装いながら、谷中のぼろ屋敷で一人暮らし。

江戸城へ諸大名が登城する朔日。宗之介と名乗る若者が大手門を襲撃。

将軍家御用達の店ばかりを狙う盗賊が現れた。襲われた店は一家皆殺しのうえ、最後に火をつけるという非道ぶりだ。

綱吉が将軍に就任したことで、甲府藩主としての務めを果たしながらも、気ままな日々を送っている左近に、綱吉の影武者として日光社参におもむくようにとの命がくだった。

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還暦を前に大店下り酒屋の主・里右衛門が病に倒れた。

将軍綱吉との狩りの場で刺客に襲われ、傷を負ってしまった左近。

藩と領民が力を合わせ「国替え」という最大の難事を乗り越えた高岡藩井上家。

上田秀人の超人気シリーズ最新刊! 目付を放逐せよ! 前将軍の生母・月光院の横暴を阻んだ惣目付・水城聡四郎。

京都の公家から江戸の武家へ。前代未聞の転身を遂げた信平。

同日に起こった三つの難事件。若い男女の駆け落ち、問屋の強盗事件、付け火と焼死体。

幕政改革に邁進しようとする八代将軍・徳川吉宗の先兵として奔走する惣目付の水城聡四郎。

日ノ本中に散った三万の忍び「蛛蜘」を束ねる頭領を捜せ。

皇軍の胎動、京にあり。

戦国時代の名刀・露斬りの出物が同時に二本現れた。

江戸を守る これが私の歓びだ 将軍と公家武者が敵の手に墜ち―― 銭才編、ついに決着! ーーー 敵は金峰山にあり。

ついに姿を現した京の黒幕・下御門。 警戒する信平のもとに、江戸を騒がせる木乃伊の秘薬の噂が舞い込む。

病に伏せっていた将軍家重の側近、大岡出雲守忠光が、闇夜に化け物に襲われた。

「貴様の里を焼き払ろうてくれる」そう言い残し消えた巌道。

子が生まれ、秋穂が実る。鷹司松平信平は出世にともなう新領地の視察と家臣集めへ向かう。

旗本となった鷹司松平信平の妻・松姫は子を宿していた。

四代将軍家綱の御台所顕子女王暗殺の諜あり。将軍の宴を汚すは天下の一大事。

造酒額厳守の触が出されているなか、天領の村から手に入れた二升の酒によって窮地に立たされてしまった高岡藩井上家。