第4回USEN朗読文学大賞奨励賞受賞作。 35年以上もたって、小学校のころのぼくの同級生、スズキから電話がかかってきた。

西暦2025年。世界は環境汚染に苦しみそして荒廃していた。

助産院に勤める紗英は、不妊と夫の浮気に悩んでいた。彼女の唯一の拠り所は、子供の頃から最も近しい存在の奈津子だった。

大手企業フクカネに勤める32歳・西岡七々未は、突如イケメン婚約者を捕まえた学生時代からの親友―ぽっちゃり系女子・小松美宇の結婚式を盛り上げる「ブライズメイド」のリーダーに任命されてしまった。

結婚おめでとう。大学時代、新婦とは一番の親友だった。

「これでおまえも一人前だな」入社三年目の夏、常に最下位だった営業成績を大きく上げた修哉。

「神楽坂を舞台に怪談を書きませんか」突然の依頼に、作家の〈私〉は驚愕する。

二日酔いで目覚めた朝、寝室の床に見覚えのない女の死体があった。玄関には鍵がかかっている。

大切な人を殺された者は言う。「犯罪者に復讐してやりたい」と。

あるホラー作家のもとに送られてきた手紙には、存在しない架空の歌手とラジオ番組のことが延々と綴られていたという。

女優の弓香の元に、かつての同級生・理穂から届いた故郷での同窓会の誘い。