【佐野洋】
静かすぎる被告人
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「あなたは検察審査員候補者に選ばれました」高校教師・佐田のもとに届いた一枚の葉書。
中央日報の稗田は元駐日P国大使にかんするフランス紙の記事に興味を持った。日本人ハイ・ホステスとの関係で離婚騒動とか。
電車の中で痴漢扱いされた上場企業の役員は、無実を証明しようという第三者の申し出を断わる。
一年前ガス自殺で妻を失い、続いて新しい恋人の紺野咲子までも同様に失ってしまった新聞記者の志原。
カメラマンの田代がホテルのプールで撮影した美貌の女性は、有名デザイナー前川阿里子の娘・邦子だった。
3.3分に1組が、4.5組に1組が離婚。いま
女性蔑視をあからさまにする初老の男、アパートの隣室に住む不気味な若者、人の善意を踏みにじる若い夫婦…。
「やる」「俺、あの女とやっちゃった」と言えば色っぽいけれど、「この野郎、やっちまえ」ともなれば物騒な話。
「あたくしたち、今日、第五回結婚記念日なの」指に結婚指輪の光る女性が誇らしげにいった。
42歳は男の厄年。ルーティン化した仕事と無関心な家庭生活でだらけた心と体が、やがて災難を招く。
一握の砂が見る向きによって沈んだり輝いたりするように、身の回りの些細な出来事も、光の当たる角度によって全く違う姿を見せる。
父親が「死んでやる」と言い残して家出、という記事が新聞に載る。一方、何の後ろ盾もない男が県議会選挙でトップ当選。
健康診断を受けに来た病院で、山岡は水谷睦子に再会した。7年前睦子は12歳だった。
会社に山積みの退屈な仕事、お金も愛もない冷めた家庭生活。そんなものを断ち切って、ひとりになってみたい。
その夜、平井美加は驚きのあまり鳥肌をたてた。一等一千万円の宝くじが当ったのだ。
新米刑事古賀は姉の住む団地で見かけた素敵な美人の名前を聞いてびっくりした。
刑事だった高梨は、娘の陽奈子との諍いから退職し、妻とも別居。市が管轄する公園管理課の巡回班長として採用された。
「安土、約束は守ってくれよ」旧
私=中島道警刑事=の恋人小出智子̆
外部からの音をいっさい遮断し、反響を殺してしまうという実験室に閉じこめられた男と女。
鴻巣求一は、ついてなかった。出
「どういうことだろう?このシロキリが、プチラルースと同じような反応を見せたということは…」―騎手変更で偶然騎乗することとなった馬から、血統がまったく違う、ある名馬と同じ感触を受けた“私”。
「人生の余白に、ちょっとした色どりを添えたいと思い旅に出る」と妻に書き残して、小料理屋の女と心中した男。
組織人としての苦悩を抱えながらも、ひとたび事件が起これば矜持を胸に執念の捜査で犯人を追い詰めていく。
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殺人容疑者の身柄を預った新聞社の支局長が、警察も気づかぬ事件の真相を暴く「ガラスの罠」、新聞への奇妙な投書が投げた波紋の意外な結末「満ち足りた生活」など、地方支局を舞台に展開、推理する、異色の連作ミステリー9編。