電車の中で痴漢扱いされた上場企業の役員は、無実を証明しようという第三者の申し出を断わる。

古美術でひと儲けをたくらむ男たちの騙しあいに容赦はない。

歌舞伎町近くの路地にある診療所に銃で撃たれた中国人が運び込まれた。

留守中に、頼みもしない植木屋が庭を掘り返していたという。

中央日報の稗田は元駐日P国大使にかんするフランス紙の記事に興味を持った。日本人ハイ・ホステスとの関係で離婚騒動とか。

女性ばかりの住む白雪荘。その一室でバー『デラ』のホステスあかねが絞殺された。

電話ボックスで珍妙な行為にふける男を見かけたOLは…。

カメラマンの田代がホテルのプールで撮影した美貌の女性は、有名デザイナー前川阿里子の娘・邦子だった。

元刑事で、今はしがない私立探偵である茜沢圭は、末期癌に冒された老人から、35年前に生き別れになった息子を捜し出すよう依頼される。

大麻所持で逮捕されたナイジェリア人の取調べにあたった鮫島は麻薬ルートの捜査に乗り出し、盗品を専門に売買する「泥棒市場」の存在を突き止める。

動物病院からの年賀状が誤配されてきた。

「あなたは検察審査員候補者に選ばれました」高校教師・佐田のもとに届いた一枚の葉書。

公文書には元号を使用しなければ罰せられるのだろうか。

3.3分に1組が、4.5組に1組が離婚。いま

小説家は作中人物の名前をどうやってつけているのだろう。

外部からの音をいっさい遮断し、反響を殺してしまうという実験室に閉じこめられた男と女。

健康診断を受けに来た病院で、山岡は水谷睦子に再会した。7年前睦子は12歳だった。

キャリアの新人警部補・桜川が大藤署にやって来た。

交通事故で夫の健一を亡くし28歳で未亡人となった須美子は、事故後、恋人ができ華やいだ気分になっていた。

一握の砂が見る向きによって沈んだり輝いたりするように、身の回りの些細な出来事も、光の当たる角度によって全く違う姿を見せる。

「あたくしたち、今日、第五回結婚記念日なの」指に結婚指輪の光る女性が誇らしげにいった。

小泉法律事務所に届いた一通の手紙。差出人は福島武彦。

「安土、約束は守ってくれよ」旧

鴻巣求一は、ついてなかった。出

新米刑事古賀は姉の住む団地で見かけた素敵な美人の名前を聞いてびっくりした。

なぜ。今度は冴子の部屋から盗聴機が発見された。

大手精密機器会社課長・守口は、愛人とのドライブ中に人を撥ねてしまった。

Mデパートに勤める野上美樹子は友人の島晴代から、願ってもない転職を持ち掛けられた。それは、ある新興商社の専務秘書。

保存されていた自分のへその緒の血液型鑑定をした医者が、己の過去の謎を追って得た驚愕すべき血の運命の真相(表題作)。

妻を殺された男の手帳に記された「M.SH、612。

「親父が殺された。

部付次長の花山は、勤続三十年のリフレッシュ休暇を取っていた。

元新聞記者の間垣吾郎は、かつての恋人道川八重子を目撃した。

会社に山積みの退屈な仕事、お金も愛もない冷めた家庭生活。そんなものを断ち切って、ひとりになってみたい。

羽田発札幌行の大型旅客機が岩手山ろくで墜落した。遭難者名簿の中に、愛人と同姓同名の女性を発見した男は首をかしげた。

非合理が通る社会は、推理小説の存在をも危うくする。

女性蔑視をあからさまにする初老の男、アパートの隣室に住む不気味な若者、人の善意を踏みにじる若い夫婦…。

42歳は男の厄年。ルーティン化した仕事と無関心な家庭生活でだらけた心と体が、やがて災難を招く。

「どういうことだろう?このシロキリが、プチラルースと同じような反応を見せたということは…」―騎手変更で偶然騎乗することとなった馬から、血統がまったく違う、ある名馬と同じ感触を受けた“私”。