深淵
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初版刊行(参考)
種別
長編
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評判
深淵の評価:
0.00/10点 レビュー 0件。 - ランク
深淵の総合評価:
6.00/10点 レビュー 4件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
Amazonレビュー
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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の縮図を読み取り、それを小説として描き出す。本書では、二つの冤
罪・誤判とされる殺人事件を、記憶喪失から回復した、編集者で作家
の主人公が仲間とともに解決していく。その過程で国家権力、マス・
メディア権力だけでなく、小賢しく小狡い人間の立ち振る舞いも批判
の俎上に載せる。
主人公や仲間たちのその倫理的な言動は、読み手に対して、共感より
も感銘を与える。共感するには、あまりにも登場人物の器が大き過ぎ
る。自分とはかけ離れているため、本書を読み終えた後は、自らの佇
まいを正せねば、という気にすらなる。特に人々の連帯について考え
させられた。たとえば、次の一節。
「正しくても、一人で行かない(行き得ない)」者たちが手を握り合
うのは、真の〈連帯〉ではないところの「衆ないし勢を恃むこと」で
しかなく、真の〈連帯〉とは「正しいなら、一人でも行く」者たちが
手を握り合うことであり、それこそが、人間の(長い目で見た)当為
にほかなら」ない。(283頁)
真の〈連帯〉とは「正しいなら、一人でも行く」者たちが手を握り合
うこと。ここでは、連帯する前に、個々人が「正しいなら、一人でも
行く」という倫理と勇気が求められる。こうした倫理と勇気を持つ登
場人物たちが、国家権力やマス・メディア権力、ニセ左翼と対峙する、
その姿に読み手は感銘することだろう。