猟犬の誇り

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全2件 1〜2 1/1ページ
No.2
(5pt)

ガードナー対「狂犬」によるこれぞ<冒険小説>と見紛うような血湧き肉躍る戦いの連鎖

「刑事失格 "The Good Detective"」(ジョン・マクマホン ハヤカワ・ミステリ文庫)を読んだのは、2021/10月。
 舞台はジョージア州。主人公は、妻子を失った酒浸りの刑事・P.T.マーシュ。私はこのレビューに「思いつきで行動しているように思えるマーシュに心の底から共感することができなかったこととマテリアルが昇華されずにこじんまりとまとまってしまった結末に」感心できなかったと書きました。
 その著者による新しい<ガードナー・キャムデン・シリーズ>の第一作。
 主人公はFBI捜査官、ガードナー・キャムデン。彼は"PAR"("Patterns and Recognition")と呼ばれるユニットに所属しています。テキサス。かつてガードナーが追っていた男、連続殺人鬼のロス・ティグノンが死体となって発見されます。彼は7年前に火事で焼死したはずでした。続けて、ニューメキシコ。バリー・フィッシャーという男が殺害されますが、彼もまた複数の殺人を犯し、服役後老齢のため仮釈放されたばかりでした。ここに連続殺人鬼ばかりを狙って連続殺人を犯す犯人「狂犬」の存在が明らかになってきますが・・・。果たしてその犯人は何者なのか?ガードナー+PARユニット対「狂犬」によるインテリジェントで、ブルータルな戦いが繰り広げられていきます。スリラーですから詳細は書かないほうがいいでしょうね。
 まるで村上春樹の或る著作の登場人物のように数値に拘るガードナーが、まずすこぶる魅力的でした。近年では、M・W・クレイヴン・スリラーに於ける刑事、ワシントン・ポー以来の複雑で、時に現実的で冷酷に見えながらもしかし実は人間的な、あまりに人間的なキャラクターを備えています。また、"Head Cases"(変人たち)が集まる"PAR"の面々もまた一方で生きることの痛みを伝えてくれる良きキャラクターたちとして造形されています。
 そして、最も感心したのは、優れた手法によってプロファイリングを続ける"Head Cases"の頭脳の動きよりもむしろ後半以降展開されるガードナー対「狂犬」によるこれぞ<冒険小説>と見紛うような血湧き肉躍る戦いの連鎖にあるのではないでしょうか?
 また、私は「連続殺人鬼」についてガードナーの母が言う「最終的には、どの殺人者も、何かを探している一人の人間に過ぎない」(p.356)と言う台詞にかなり痺れました。誰もが己がアイデンティティの喪失を自覚した時、それを突破すべく何かが動き始めます。良きものに心が覆い尽くされるのか?、悪きものに破壊されていくのか?それは誰にもわからない。
 次の翻訳を期待して待ちたいと思います。
 ◾️「猟犬の誇り "Head Cases"」(ジョン・マクマホン 東京創元社) 2026/6/20。
猟犬の誇り (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 猟犬の誇り (創元推理文庫)より
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No.1
(5pt)

映像化

日本で映像が観れる日が早く来ますよう。
猟犬の誇り (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 猟犬の誇り (創元推理文庫)より
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