ライオンズ、1958。

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【この小説が収録されている参考書籍】

ライオンズ、1958。

ライオンズ、1958。 (ハルキ文庫ひ 8-1)

ライオンズ、1958。の評価: 4.50/5点レビュー 8件。 Cランク

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Amazonサイトに投稿されている書評･レビュー一覧です

※以下のAmazon書評･レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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全8件 1～8　1/1ページ

随分昔のヤクザの世界を垣間見た様な。

地元記者の木屋曲がった事が嫌いで筋を通すヤクザの田宮実在していたプロ野球選手

Amazon書評･レビュー:ライオンズ、1958。より
4758412871

野球フアンでなくとも

野球をあまり知らない、興味が無くても、面白い！と思います。

Amazon書評･レビュー:ライオンズ、1958。より
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ぜひTVドラマ化、映画化を

ライオンズといえば小学生のころに平和台で何度も見た赤白のユニフォームのクラウン。
そういう世代の私にとって西鉄ライオンズは伝説のチームです。
昭和30年代初め、東京オリンピック前夜、日本シリーズで巨人を負かした初のチームが福博の街を熱狂させた時代。
私にとってはモノクロの写真や関係者の方々の著書、インタビューなどでしか知り得ない
そういう「伝説の時代」の福岡を舞台に「筋を通す男たち」のストーリーが展開します。
辞めさせられた西鉄の2軍選手といっしょに逃げた娼妓を追う、誠実な土建屋を経営するヤクザのお兄さん、
その元2軍選手の兄貴分である西鉄番の若手新聞記者の2人のあいだに生まれる友情。
脇役、あるいはチョイ役として何人もの登場人物が出てきますが
とくに仁義に厚い親分さん、大下さんと新聞記者を乗せたタクシーの運転手の2人は印象的でした。
そしてその登場人物たちが動く福岡、博多の街。
中州、川端、渡辺通り、平和台、百道・・・身近な地名が出て来るのがたまりません。

新聞記者である主人公との絡みで小説のなかに西鉄の選手たちが出演（！）していますが
それぞれの選手たちの雰囲気が本当に良く出ています。子供好きで優しい大下さん。
エネルギッシュな豊田さん・・・。こういうセリフを言うだろう、こういうことをするだろう、という感じです。
稲尾さんや三原監督もセリフ付きで登場しますが（中西さんは出て来ません）
実際に西鉄ライオンズのエピソードとして語られていることを下敷きにしたシーンもいくつかあり
これは往年のファンの方々にはたまらないものではないでしょうか。

大下さんの少年野球チームと、ヤクザのお兄さんの監督する戦災孤児の少年たちの野球チームが
百道浜で試合をするシーンも良かったです。本の裏側のほうの表紙に、本編にも出て来る主役の2人の男たちが
戦災孤児たちの施設を背景に浜辺でキャッチボールをしているシーンの絵が描かれていますが
おそらくこれは室見川に寄ったあたりの百道浜、現在インターナショナルスクールがあるあたり、大きな
マンションが立ち並び、往復4車線でひっきりなしに車の行き交う、よかトピア通りのあたりなのでしょうね。
ホークス戦を見に来る現代の野球ファンの人たちにも、福岡ドームのすぐ近くに西鉄ライオンズの選手たちの宿舎、
大円寺（大圓寺）寮が有ったことを知る人はほとんどいないのではないでしょうか。

令和という新しい時代を迎える時期に、昭和の息吹と言いますか、
こういった昔話はもうほとんど誰も興味を持たないのかもしれません。
しかしこういう作品こそTVドラマもしくは映画にすべき1作のように思われます、
現代とは大きく異なる昭和という時代を生きた人々の記録のひとつとして。
西鉄ライオンズの日本シリーズ3連覇は、それだけでひとつの大きなドラマ、その時代の福岡、
その時代の人々の姿とともになんとか映像作品にしてもらえないか、と強く感じます。

Amazon書評･レビュー:ライオンズ、1958。より
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テクニックに走りすぎた現代の病理を映し出す文体

たぶんここのレビューは総てサクラでしょう。

夜の商売をやりすぎて褒めることが雑になっているかような
陳腐な褒め言葉がならぶ星５つのレビューたち。
知人でも総動員したのでしょうが、
本書の稚拙な中身もそれに似ています。

60点の技術に頼った文体。
イデオロギーに著者自身が酔いしれていて
読み手の心の奥底を揺さぶるものはありません。

Amazon書評･レビュー:ライオンズ、1958。より
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これが新人の作品か！

面白かった！　文章のリズム、展開のスピード、話の内容、どれも文句なし！　これ、絶対映画にして欲しい！

　主人公は記者の木屋なのか、ヤクザの田宮なのか、ちょっと判然としませんが、おそらく二人ともなのでしょう。もちろん、脇役は大下、中西など西鉄ライオンズの実在の面々です。

　果たしてどこまでが本当（ノンフィクション）で、どこまでがフィクションなのか、冷静に考えれば明らかなのですが、読んでいると小説の世界に引き込まれてしまい、全てを忘れます。

　かつて福岡に住んだことのある人間としては、往時の博多の風景も郷愁をそそります。作中で最新のモダンな建物として紹介されている花関ビルも日活ホテルも、今はもうありませんから。

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くすりと笑い、ほろり泣ける、熱い男たちの物語

舞台は終戦間もない博多の街。
主人公は西鉄ライオンズの番記者・木屋淳二と、南方戦線帰りの極道・田宮直志。
石炭、製鉄、西鉄ライオンズが復興を支える、戦後博多の街の空気がひしひしと伝わる小説です。
木屋と田宮の、「友情」と言ってしまうと薄っぺらくなるけれど、戦争に翻弄された過去を持つ二人の繋がりが切ない。
戦災孤児や炭坑孤児たちの孤児院“みその苑”で暮らす、ケン坊。西鉄二軍をクビになった川内。川内と苦界を逃げ出すケン坊の姉の娼妓・双葉。
そこに実在の西鉄ライオンズの選手が絡みます。大下弘、稲尾和久、仰木彬、豊田泰光、中西太、三原脩監督と豪華ラインナップ！
伝説に残る西鉄対巨人の日本シリーズとヤクザ抗争を縦糸横糸に織りなし、物語はクライマックスに進みます。
読んでいて思わず映像が目に浮かぶ小説でした。野球が最大の娯楽だった終戦直後の雑多な街の躍動感、木屋は、田宮は、と俳優を思わず思い浮かべてしまいました。

偶然手に取った１冊でしたが、今年最大のヒットです。

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momo

父が西鉄ライオンズ優勝の時、関係者の近くにいたため父のレビューを代理で述べます。

とても面白く一気に読みました。若い人にもかかわらず当時のことをよく調べ様々な資料を集め噛み砕いて小説に創り上げたのは見事。他の作家達がうろ覚えの又聞きで描いたものよりは格段に優れていると思います。特に三原脩がビルマ戦線で苦労した末に産み出した人間の有様に関する考察が深く感心します。集めた資料も確かなものの様でその眼力にも驚きです。
慶應大学文学部出身の方の様ですが、流石三田文学の潮流に在る逸材ですね。
この本の中で一番大切なのは、[神様仏様稲尾様]と言われたのがファンからであったという事です。大半の人が監督である三原脩の発言として居ますが、平岡氏の記述通りファンからであったのが本当です。実際はあのサヨナラホームランの後にベンチの屋根の上に土下座して深々と頭を下げて、あの有名な言葉をのべたのです。これより前に稲尾が２０勝した時に観客席から[神様仏様稲尾様]と自然に湧き上がったとも言われ、これを聴いた三原脩が新聞記者に[皆も良う分つちよる]と告げたので、三原脩の発言として伝わっていますが、無神論者の三原脩がこんなことをいうはずもない。ファンからであったのが本当です。この点も平岡氏は良く調べている。

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