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霊子先輩は実写化希望!!
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霊子先輩は実写化希望!!の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.33pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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ヒロインが記憶喪失の幽霊という点が つい先日レビューした集英社オレンジ文庫の「雪があたたかいなんていままで知らなかった」と被り、 「自分が知らんだけで最近このタイプのヒロインが流行っているのか」と気になって拝読したのだけど…… 貧乏性だから「買った本はどれだけ面白くなくても最後まで読む」を旨としているのだけど、 久しぶりに読了する事を途中で断念するレベルの地雷作を引き当ててしまった。 最初に言っておくが、この文章にISBNコード当てて書店やAmazonに流通させるだけの価値が、 要するに「金を取って読ませるに値する」と判断した編集者は職業適性ゼロだから辞めた方が宜しいかと。 話の概要を説明しようと思ったが、これほど人に読ませる事をまるっきり意識して書いてない悪文の どこをどう説明した物かと頭を抱えざるを得ない。 ざっと言えば20年ぐらい前に死んだことしか覚えていない記憶喪失の幽霊少女と出会った少年が、 「最恐ヒロイン」として実写化を目指すという彼女の願いを叶えるまで取り憑かれる羽目になり そのごあれやこれやと騒動に巻き込まれる……というのが主な流れ。 いい加減な説明をするなと言われるかもしれないが、話の流れを追う事すら極めて困難なのだから仕方ない。 なので何がそこまで読み進めるのを困難にしているのか、という所だけをまとめるに留めよう。 まず圧倒的に登場人物を、それも名前付きの登場人物を出し過ぎ。 普通一巻完結の作品でまともに掘り下げられる登場人物なんて精々4、5人が限度。 それ以上出してしまうと掘り下げの浅い「このキャラ何の為に出したの?」という人物が増える。 なので登場する人物には名前を割り振るという行為には「このキャラは後で活躍するので覚えておいてください」という 読者に宛てたメッセージが込められ読者の記憶のキャパを割く事を求めるのだが、 この作品、呆れた事に新しい章に進むたびに二・三人は新たに名前付きの登場人物が追加されるのである。 最終的には二十人以上の人物が名前付きという事になるのだが、これを把握して読み進められる読者がいるんだろうか? 例えば群像劇で用いられる登場人物各個の視点を素早く切り替えていくスタイルであれば多少は人物が増えても把握は出来る。 しかしこの作品、ダラダラした三人称で恐ろしい事に名字と名前をやたらと切り替えて各登場人物の動きが描かれるので 読者は名字と名前を分けて読まなきゃいかんのである……もうこれだけでストレス溜まりまくり。 それでも登場人物に明確に見分けられるだけの個性があれば多少はマシだったかもしれないが、 極めて没個性的と言うか平凡なキャラ付けの人物しか登場しないので印象その物が恐ろしく薄いのである。 二十人近くの印象が薄い登場人物の名前と名字を記憶して読まなきゃならない小説……ほとんど「読む苦行」である。 それなら話の筋だけ抑えていけば何とかなるだろう、と思ったのだけどこれが更に酷い。 冒頭で霊子先輩と名付けられた幽霊少女が主人公に頼んだお地蔵さんへの悪戯の犯人探しから始まるのだけど、 その次の章ではクラス内のSNSを使った虐めの騒動に話がうつり、その次の章では遊園地の悪霊に取り憑かれる騒動、 何の脈絡もないまま話が転がりまくった挙句「最初の霊子先輩を実写化する」という話は行方不明に。 それでも各章ごとに起承転結を付けてカッチリ話を纏めてくれれば良いのだけど、 中途半端に各章が繋がっているので「あれ?今の話はどこで終わったの?」と区切りが不明瞭なのである。 ボンヤリと始まってボンヤリと終わる各エピソードをどう追ったら良いのかとここで再び頭を抱える羽目に。 なんか最後の方は霊子先輩が悪霊化したり、主人公が過去に巻き込まれた自殺未遂騒動みたいな話もあったみたいだが、 そこいら辺に辿り着くころには完全に「目が滑る」という状態に陥ってさっぱり記憶に残らなかった。 登場人物も覚えきれない、話の筋も抑えきれない……この絶望的な文章を読み進めて言った挙句に 「俺は娯楽の為に買った小説を何でこんな苦行僧みたいな気分で読んでいるんだろう?」と思うに至り 本を床に放り投げる事に。 ……いやー、久しぶりに血管切れそうなレベルの地雷作を踏まされた。 調べてみたら作者は「魔法のiらんど」、要するにケータイ小説の分野で活動してきた人らしいが どうも自分はこのケータイ小説を愉しむ層とはとことん相容れないタイプの読者だったらしい。 時間と金を苦行に費やしたいという方以外にはまったくもってお勧めしない恐るべき一冊。 | ||||
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