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人類博物館の死体



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【この小説が収録されている参考書籍】
人類博物館の死体 (ハヤカワ文庫NV)

人類博物館の死体の評価: 3.00/5点 レビュー 3件。 -ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(4pt)

犯罪ドキュメンタリーと科学的興味とミステリーの仕掛けがブレンドされた話題作です。

フランス・パリの病院で産婦人科部長を務める現役の医師ミリエズが64歳で初めて著したデビュー作でフランス冒険小説大賞受賞の話題作です。本書は2005年に実際に起こった韓国の獣医学者ファン・ウソク教授による「世界初のヒトクローンES細胞作製」事件をモデルにした物語で、小説では韓国の獣医師チャン・ウソクと名前を変えて顛末と真相を描き出し、事実に殺人事件という虚構を加味し現代の医学知識を学べて為になる情報ミステリーに仕立て上げています。
パリの人類博物館の発掘調査部長に面会を求めて訪ねて来たアジア人女性が射殺体で発見される。パリ警視庁のジャスマン警視は被害者が身に帯びていた手掛かりを基に事件の捜査を開始する。一方、警視の親友で新聞記者のマルクも事件を知って、密かに韓国へと飛び独自に調査に着手する。やがて彼は、被害者の女性ウンが韓国の学者によるES細胞作製に関係していた事実を掴み、深く事件の謎に肉薄して行く。
本書では、パリで本職のピエール・ジャスマン警視が慎重に捜査を進め、片や素人の新聞記者マルク・クールが韓国で大胆な策略を練って敵に探りを入れる、二人の対照的な性格が鮮やかに描き分けられていて面白いです。また、獣医師チャン・ウソクが捜査当局に次第に追い詰められて行く様子が焦りや怯えの心理と共に見事に描写されていて、ドキュメンタリー・タッチの迫真のドラマを読む楽しさが味わえます。事件は終盤に至ってミステリーの仕掛けで最後に意外などんでん返しが待ち構えていますが、この部分は決して悪くは無いのですがやや期待外れな面もあり、人によって評価が微妙に分かれる事でしょう。本書は全体で200数頁と短く小品の趣で、犯罪小説と科学的興味と推理の面がバランス良くまとまった佳品だと思います。尚、女性に大モテで陽気な性格のマルクの活躍が小気味良く、ロマンスの幸福感も伝わって爽やかな読後感に包まれるでしょう。
人類博物館の死体 (ハヤカワ文庫NV)Amazon書評・レビュー:人類博物館の死体 (ハヤカワ文庫NV)より
4150412057

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