■スポンサードリンク
ナゼアライブ
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
ナゼアライブの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.27pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
タイトルと美麗な表紙につられて手に取りました。 『ナゼアライブ』=なぜ生きる? 初めの方はヤングアダルト向きの近未来青春小説、って感じで楽しく読めるのですが、だんだん哲学的な要素が入ってきます。 他の方も書かれていますが、「ソフィーの世界」や「君たちはどう生きるか」「ツァラトゥストラ」なんかをちょっと思い出しました。 SFとしてもミステリとしても青春小説としても、それなりに面白いとは思いますが、人間はなぜ生きるのか?というテーマに関しては、どうもスッキリしない読後感が残りました。 しかしながら、この作品の中で描かれる近未来のIT情景には非常に魅了されました! 著者はIT系の会社に勤務されていたようですが、こんなにリアルに2020年の生活を感じさせてくれてありがとうと言いたいです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
テンポのよい近未来を描いた青春小説です。▼ある時期をさかいに、世の中には不思議な自殺者が急増します。ついには国内の自殺者が年間10万を超えるレベルにまで達するしんこくな事態となり、多くの人々が身近な人のとつぜんの喪失に、とまどいをかくせなくなります。▼主人公・ユウもまた、このはやり病のような自殺症候群によって恋人を失ってしまいます。これに疑問をいだいたユウは、もちまえの求道的な精神力のもと、ある巨大な人物へとたどりつきます。▼物がたりの深部までふれることはできませんが、ふたりは、まるでふしぎな力に引き寄せられるようにして出会い、たがいを知ろうと探りはじめます。そこにははかり知れない野望が込められていたのでした。また、この出会いにより、ユウは、ある“宿命”とはっきり向きあうことになります。じつは、この宿命は父より脈々と受け継がれてきた、たたかいへの命脈でもあったのです。▼ところで、ユウにはある特異な能力があることを、かれの友達が見抜きます。それは、いろんなできごとを時系列ではなく、その本質のみを抽出して大量に格納し、ふたたび経験知に転換できるという、特殊な記憶力なのでした。▼この物がたりは、たたかうべき敵の発見と、かれのもつ特異な能力、それをとりまく異能の仲間たちという、たたかいへの準備が整うまでを描いています。主人公・ユウの成長がたのしく勇気づけられもします。また、とりまく仲間たちのキャラクターもそれぞれが輝いています。たたかいの本番となる次の作品がたのしみです。▼だ足ながら、作者は、一世を風びした「仮想都市=セカンドライフ」をイメージしたのかもしれませんが、わたしは、いささかちがった思いをいだきました。▼主人公の特殊な能力ですが、本質を断片化することで、容量をうみ汎用性も高まるとしていますが、逆にそうしたかんがえ方が、悪意の温床にもなりかねないと思うからです。つまり、なにも解釈されない膨大な事実の断片の連なりのみが信用にたる、というかんがえ方もあるからです。歴史はしょせん意図された物がたりにすぎません。ここで思いおこされるのが、現実の世界で巨大化(肥大化)した検索大手企業です。▼いっけん関係性がうたがわれることがらも、膨大なデータ蓄積から、ふしぎな序列をかたちづくっていく手法をあみだし、わたしたちは日々その恩恵にあずかっています。これはベイズ統計とよばれる手法の援用といわれていますが、さだかではありません。このデータ備蓄をうしろだてに、さまざまなネットワークチャンネルをひとり占めにする現実界の大手企業こそが、物がたりに描かれた巨人そのものではないのかと、あらためて身ぶるいをしたのでした。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!