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恋々



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【この小説が収録されている参考書籍】
恋々 (徳間文庫)

恋々の評価: 8.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

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No.1:
(8pt)

中国大陸の西端まで突っ走る、元引きこもりの再生物語

2010年に刊行された「さよなら的レボリューション 再見阿良」の加筆・改題作品。元引きこもりの19歳の男がだらしなく流されてたどり着いた中国で新しい自分を見つけ出す、青春ロードノベルである。
19歳の高良伸晃は引きこもりから脱出したものの通っているのは閉校がうわさされる三流大学で、将来に何の展望もなく、ずるずるとバイトに明け暮れていたのだが、同級生の中国人の女子に恋したことから中国の語学学校に短期留学することになる。そこでも状況に流されて過ごし、何の成果もなく帰国したのだが、再び訪れた上海で、かつてのバイト先の先輩に出会い、成り行きで盗難車を移送するために西安のさらに西へ、シルクロードを突っ走ることになった。ほとんど砂漠ともいえる黄土高原の果ての集落で高良が出会ったのは、中国の奥深い歴史の闇の中で生きる人々の現実で、高良は改めて自分を見つめなおすことになった。
19歳の小心者で俗物の若者と壮大な中国の歴史と自然との対比から生まれるハレーションが、全編をキラキラ輝かせている。主人公・高良のだらしなさや格好悪さ、傷付きやすさにもかかわらず、いや、それゆえにか、いつしか高良を許し、肩入れしたくなる。いわば、自分自身の青春をやり直しているような甘酸っぱさがこみあげてくる。まさに青春ロードノベルである。
東山彰良ファンには必読。ロードノベル・ファンにもおススメする。

iisan
927253Y1

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