上覧剣術大試合まで半年余りとなった初夏。金杉清之助は仙台・伊達家城下で修行に励んでいた。

足掛け５年の修行の日々は、すべてこの日のため――。国中から豪腕辣腕の武芸者が集結した上覧剣術大試合。

飛鳥山の菊屋敷で、剣術家が独り稽古を続けていた。

いよいよ江戸に帰るべく、金杉清之助は徹宵して南下し、師が眠る鹿島を訪れる。

上覧剣術大試合開催を知るや、佐渡を出立して越後に修行の場を移した清之助は、長岡へ向かう途次、討手に追われる姉弟と出会う。

将軍吉宗お声がかりの鹿狩りに参加し不首尾だった咎で、直参旗本石河常康が切腹した。

百万石の栄華も今は昔。

偉大な師米津寛兵衛の死から一年が過ぎようとしていた。

偉大な師米津寛兵衛の死から一年が過ぎようとしていた。

一年に及ぶ柳生逗留を終え、惣三郎と結衣が江戸に帰ってきた。しのと結衣は抱き合って再会を喜ぶ。

寛政五年十月、江戸を見舞った大火事のあと、吉原に大勢の客が押し寄せる。

江戸・三十間堀の小さな町道場が、怪しい証文を盾にした男たちから狙われている。

「参りました」惣三郎が突如、頭を下げた……。

京の袋物問屋の隠居・又兵衛と知り合った空也は、大和国室生寺に向かう一行と同道することになった。

吉原会所の裏同心神守幹次郎にして八代目頭取四郎兵衛は、九代目長吏頭に就任した十五歳の浅草弾左衛門に面会した。

享保八年秋、飛鳥山の菊屋敷は、棟方新左衛門と久村りくの結納を祝う一座で賑わっていた。

若狭小浜城下から敦賀へと向かう若狭路。

御家騒動から七年後。相良藩の江戸留守居役となった金杉惣三郎は、財政の建て直しに忙しく、我が子とゆっくり向き合う暇もない。

京の都。祇園感神院の西ノ御門前で空也は、往来の華やかさに圧倒されていた。

豊後関前藩の若き武士３人が帰藩したその日に、互いを斬り合う窮地に陥る。

安芸広島城下で空也は、自らを狙う武者修行者、佐伯彦次郎の存在を知る。

長く廓の用心棒であった神守幹次郎が吉原を率いる八代目頭取四郎兵衛に就任、御免色里の大改革が始まった。

豊後相良藩二万石の徒士組・金杉惣三郎は、固い絆で結ばれた藩主・斎木高玖から密命を帯びる。

数年にわたって修行の日々を過ごした西国を去ることに決め、福江島から船に乗り込んだ空也は、長州藩の萩城下に降り立った。

武者修行中の嫡子・空也の身を案じる江戸の坂崎磐音のもとに、長崎会所の高木麻衣から文が届く。

文政８年冬。

惣三郎の次女結衣が姿を消した。昇平によれば、結衣が宮地芝居の小屋から出てくるところを見かけたという。

玖珠山中に暮らす刀研ぎの名人「滝の親方」は、小籐次にそっくりだという。

江戸を離れ逃避行の末、磐音はおこんらと尾張名古屋に身を寄せた。

遊女たちの髪洗いの日、千惷楼でお職を張る女郎莉紅が客と心中した。

参勤交代で江戸入りした関前藩主・福坂実高を出迎えた磐音は、次期藩主の俊次に剣術の弟子入りを志願された。

改築中の尚武館道場に、読売屋の和蔵が訪ねて来た。聞けば、佐野政言が田沼父子を告発する闇読売をばら撒こうとしているらしい。

小正月を迎えた江戸。佐々木磐音は鵜飼百助のもとを訪ね、愛刀の備前包平を研ぎに出す。

森藩藩主の命により、参勤交代に先行して国許の豊後国を訪れることになった小籐次。

磐音は、関前藩留守居役の中居半蔵から、実父正睦が藩物産取引で不正を働いた疑いありと告げられる。

江戸で有名な盗人「鼠小僧」は自分だ、とついに明かした子次郎。

小籐次一家三人は、老中青山忠裕の国許であり駿太郎の実母・小出お英の故郷でもある丹波篠山へと旅立つ。

端午の節句のその日、大門前に立った男女。一年余の京での修業を終え、吉原に戻った神守幹次郎と加門麻であった。

十三歳にして剣術に優れ、研ぎ仕事の腕も上げた駿太郎はアサリ河岸の桃井道場に入門し、年少組で稽古に励む。

文政９年正月。今年こそは平穏な日々を送りたいと願う小籐次のもとに元日早々、藤藩の近習頭・池端が訪ねてくる。

文政９年初夏。太平の世を謳歌する江戸では近頃、貧しい長屋に小銭が投げこまれるという奇妙な事件が続いていた。

安永二年、深川の夏祭りをめぐって、地元の親分の間で起こった諍い。

吉原にいる奈緒が山形の紅花商人に身請けされることになった。

寛政七年仲夏、豊後関前藩の湊に降り立った坂崎磐音一家。

師走、寒気増す江戸深川・六間堀長屋。

燕飛び交う初夏に、将軍家治は日光社参を決行する。

天明四年弥生二十四日。粛然と稽古に打ち込む磐音のもとに、霧子から急報がもたらされる。

深川の長屋で浪人暮らしの坂崎磐音は、日光社参の勘定を担うことになった両替商・今津屋からある提案を持ちかけられる。

淀川を襲う激しい嵐から人々を救うため、来島水軍流・剣の舞を天に奉納する小籐次・駿太郎親子。

秋風が吹き始めた江戸。磐音は研ぎに出していた備前包平を受け取りに研ぎ師・鵜飼百助のもとを訪ねる。

小梅村の尚武館道場に現れた老武芸者。

大志を抱き切磋琢磨した友を喪い、豊後関前藩を出奔した坂崎磐音は、江戸・深川六間堀の長屋で浪々の日々を送る。

豊後関前藩から密かに上府した、坂崎磐音の父で国家老の正睦。