「あなたは検察審査員候補者に選ばれました」高校教師・佐田のもとに届いた一枚の葉書。

電車の中で痴漢扱いされた上場企業の役員は、無実を証明しようという第三者の申し出を断わる。

電話ボックスで珍妙な行為にふける男を見かけたOLは…。

留守中に、頼みもしない植木屋が庭を掘り返していたという。

健康診断を受けに来た病院で、山岡は水谷睦子に再会した。7年前睦子は12歳だった。

「あたくしたち、今日、第五回結婚記念日なの」指に結婚指輪の光る女性が誇らしげにいった。

3.3分に1組が、4.5組に1組が離婚。いま

父親が「死んでやる」と言い残して家出、という記事が新聞に載る。一方、何の後ろ盾もない男が県議会選挙でトップ当選。

女性ばかりの住む白雪荘。その一室でバー『デラ』のホステスあかねが絞殺された。

「安土、約束は守ってくれよ」旧

中央日報の稗田は元駐日P国大使にかんするフランス紙の記事に興味を持った。日本人ハイ・ホステスとの関係で離婚騒動とか。

新米刑事古賀は姉の住む団地で見かけた素敵な美人の名前を聞いてびっくりした。

外部からの音をいっさい遮断し、反響を殺してしまうという実験室に閉じこめられた男と女。

キャリアの新人警部補・桜川が大藤署にやって来た。

一年前ガス自殺で妻を失い、続いて新しい恋人の紺野咲子までも同様に失ってしまった新聞記者の志原。

なぜ。今度は冴子の部屋から盗聴機が発見された。

大手精密機器会社課長・守口は、愛人とのドライブ中に人を撥ねてしまった。

筑前の小藩・秋月藩で、専横を極める家老・宮崎織部への不満が高まっていた。

一握の砂が見る向きによって沈んだり輝いたりするように、身の回りの些細な出来事も、光の当たる角度によって全く違う姿を見せる。

京に暮らし、二世夜半亭として世間に認められている与謝蕪村。弟子たちに囲まれて平穏に過ごす晩年の彼に小さな変化が…。

小泉法律事務所に届いた一通の手紙。差出人は福島武彦。

カメラマンの田代がホテルのプールで撮影した美貌の女性は、有名デザイナー前川阿里子の娘・邦子だった。

京の郊外に居を構え静かに暮らしていた雨宮蔵人と咲弥だったが、将軍綱吉の生母桂昌院の叙任のため、上京してきた吉良上野介と関わり、幕府と朝廷の暗闘に巻き込まれてしまう。

その夜、平井美加は驚きのあまり鳥肌をたてた。一等一千万円の宝くじが当ったのだ。

鴻巣求一は、ついてなかった。出

私=中島道警刑事=の恋人小出智子̆

非合理が通る社会は、推理小説の存在をも危うくする。

公文書には元号を使用しなければ罰せられるのだろうか。

妻を殺された男の手帳に記された「M.SH、612。

保存されていた自分のへその緒の血液型鑑定をした医者が、己の過去の謎を追って得た驚愕すべき血の運命の真相(表題作)。

動物病院からの年賀状が誤配されてきた。

Mデパートに勤める野上美樹子は友人の島晴代から、願ってもない転職を持ち掛けられた。それは、ある新興商社の専務秘書。

「どういうことだろう?このシロキリが、プチラルースと同じような反応を見せたということは…」―騎手変更で偶然騎乗することとなった馬から、血統がまったく違う、ある名馬と同じ感触を受けた“私”。

「親父が殺された。

部付次長の花山は、勤続三十年のリフレッシュ休暇を取っていた。

元新聞記者の間垣吾郎は、かつての恋人道川八重子を目撃した。

損保会社のN支店長田坂克彦は、ある雨の夜、タクシーの中に置き忘れられた人形に深い関心を持った。

「かちかち山」の兎と狸の「妖しい関係」があぶりだす殺人事件の真相。

女性蔑視をあからさまにする初老の男、アパートの隣室に住む不気味な若者、人の善意を踏みにじる若い夫婦…。