妻が傾倒し出した百舌鳥魔先生の芸術。それは生き物を生かしたまま切り刻んで繋げるという異様なものだった。

九五年八月、東晃大学医学部の研究棟、通称「瞭命館」で六〇名を超す人間が同時に意識障害を起こす惨事が起こった。

製薬会社テルンジャパンの埼玉県研究所・三号棟で、ウィルス漏洩事件が発生した。

商社現地社員の美貴は、ギリシャで口にした蜂蜜にビジネスチャンスを見出し、通訳の綾子や偶然知り合った壁画修復士の吉園とともに産地の村を目指す。

霊能少女・芙癸の脳機能データを鑑識に導入して捜査を行う、警察庁科警研心理三室。

難病を発症し心臓移植を受けることになった堤雅之。手術は無事成功するが、すぐに雅之は奇怪な現象に悩まされ始める。

奇妙で凄惨な自死事件が続いた。被害者たちは、かつて自分が行った殺人と同じ手口で命を絶っていく。

1999年の夏が何事もなく過ぎた途端に岡山県久米原市ではおかしなことがはじまった。九月三日未明。

富山県宇尾島市氷上小学校。一九九五年八月。

北島早苗は、ホスピスで終末期医療に携わる精神科医。

覚醒剤中毒死を疑われ監察医務院に運び込まれた遺体から未知の黒色胞子が発見された。

15歳のとき、ある組織から「先導者」として認可された“わたし”。

古神家の令嬢八千代に舞い込んだ【我、近く汝のもとに赴きて結婚せん】という奇妙な手紙と佝僂の写真は陰惨な殺人事件の発端であった。

到底人など通いそうにない十津川の山頂に、絢爛豪華な洋館が聳えていた。そこに暮らすのは素封家・天主家の一族と召使い達。

事故で亡くなった愛妻の肝細胞を密かに培養する生化学者・利明。

「弟を殺そう」―身長195cm、体重105kgという異形な巨体を持つ小学生の雷太。

二〇××年、中国でサッカー・ワールドカップが開催された。