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No.7
儚い羊たちの祝宴
米澤穂信
「儚い羊たちの祝宴」の感想
No.6
身代わり島
石持浅海
「身代わり島」の感想
No.5
十八面の骰子
森福都
「十八面の骰子」の感想
No.4
夢玄館へようこそ
水生大海
「夢玄館へようこそ」の感想
No.3
のぞきめ
三津田信三
「のぞきめ」の感想
No.2
さよならは明日の約束
西澤保彦
「さよならは明日の約束」の感想
No.1
あぶない叔父さん
麻耶雄嵩
「あぶない叔父さん」の感想
各話の時代背景も違い、それぞれ独立したミステリとなっていますが、共通の背景として、教養と品格を備えた上流階級の女性たちが集うと言う読書サークル「バベルの会」が登場します。
読後に尾を引くような内容の話ばかりなので、続けて読むのはしんどかったのですが、気がつけば一気に読み終えていました。
「身内に不幸がありまして」
上紅丹(かみくたん)地方を牛耳る大名家である、丹山家の次期当主の座に据えられた吹子に、幼い頃から付き従う女中・村里夕日の手記から話が始まります。
不審な死で家族や関係者が亡くなっても、すべて病死としてかたづけられてしまえるほどの有力者と言うことですが、これはいつの時代の話なのでしょうね。
殺人事件が起きますが、犯人捜しの話では無く、なぜ殺人を犯したのかという動機がユニークな話となっています。
ただ、読後に、この短編のタイトルがあまりにもベタだったので、ちょっと可笑しくなってしまいました。
「北の館の罪人」
紡績から製薬会社への変遷の中で財を成した、六綱家の前当主・虎一郎の愛人だった亡き母の遺言に従い、六綱家の屋敷に身を寄せた内名あまりが、使用人扱いで住み込むことになりますが、現当主の光次からは、別館“北の館”に幽閉されている光次の兄・早太郎の世話と、監視を命じられます。
早太郎から、六綱家にまつわる話を聞きく内名あまりが、その早太郎から不思議な買い物を頼まれるようになり、ちょっとホラーっぽい感じで話が進みます。
そのうち、体調を崩した早太郎が亡くなりますが、残した絵に犯人を告発して死んだと思われます。でも、なぜそういうややこしい告発をしたのか、よくわかりませんし、犯人の動機もありきたりです。
ホラーと思って読めば面白いのかも知れません。
「山荘秘聞」
山間に建てられた、貿易商・辰野家の別荘「飛鶏館」に管理人として雇われた屋島守子は、人里離れた館に独り住み込み、来客をもてなすために、日々準備をしていたが、誰も来ないまま一年たってしまいます。
ところが、ある日、山で遭難した登山者を見つけ、助け出して看病をしますが、その男を救助するためにやってきた遭難救助隊には知らせないまま、救助隊の基地として、別荘を提供すると言う話です。
この話の結末が、よく考えるといろんな解釈が出来るようで、読後しばらく考えてしまいました。
普通に考えると、殺人事件が起きなかったように読めるのですが、この話だけ殺人が起きないというのも何か変なので、私の読み違いで、実は殺人があったのかと思ったりしました。
「玉野五十鈴の誉れ」
小栗家の長女・純香は、小栗家の絶対権力者である祖母から玉野五十鈴という女中を与えられます。
女系家族で、小栗家の跡を取ることを義務づけられた純香は、家を出て大学への進学を希望し、女中の五十鈴をつれて家を出ることになります。
ところが、ご飯を炊く方法がわからない五十鈴は、純香から「始めちょろちょろ、中ぱっぱ。赤子泣いても蓋取るな」だと、米の炊き方を教わります。
最後に、この歌が効果的に使われているのはなかなか良いですが、ちょっと背筋が冷たくなるような話です。
でも、この話が一番気に入って居ます。
「儚い羊たちの晩餐」
この短編が、単行本にする時に書かれた書き下ろしだと言うことです。
荒れ果てたサンルームで見つけた、一冊の日記帳は、会費の未払いにより「バベルの会」から除名された大寺鞠絵が書いたと思われますが、この中には、「バベルの会」の資格ついて言及されているだけでは無く、この会が消滅した理由も書かれています。
でも、その消滅理由には、驚かされましたし、後味も良くありませんでした。