イエス・キリストの正体とは? 先端科学の知識と作家的想像力を駆使し緻密に組み立てられ傑作ミステリ。

飲み屋で金谷老人から、旧制二高時代の日記を預かった編集者の私。日記は金谷の友人の睡眠薬自殺から始まっていた……。

十五年ぶりに再会した十九歳の息子は、ひきこもりだった。働く意欲のない姿に苛立つ父。

迷宮入り寸前の殺人事件がきっかけだった。とるに足らぬダイイングメッセージが「絶対にバレない詐欺」解明の唯一の糸口だった。

「定年になったら、一緒にこの曲を合奏しよう」妻と交わした約束だった。そのために、ピアノを習った。

エリート大学生が惨殺された。遺留品は名簿の一部と思える紙切れのみ。

悪意のない、ほんの不注意から起ってしまった事件。しかも自分が手を下したわけでもなんでもない不可抗力的事故…。

友人に招かれた画廊で奈都子が目にした一枚の不気味な絵、そしてその作者を含め5人の名前だけを並べた奇妙な手帳…。

「ハマってしまう」ってどういうことなのだろうか。「ハマって」しまったらどうなってしまうのだろう。

誘拐犯からの連絡が、こともあろうに警察に届くとは。約束の場所に、しかし犯人は姿を見せなかった。

リラ夫人は、避暑地として有名な、かの軽井沢の別荘に住む妖艶マダム。

通産省に就職が決まっていた東大生が、卒業式の二日後に原因不明の自殺を図った。

15年ぶりのクラス会にきつね面の男が乱入し、散弾銃を発砲した。SATにより射殺された犯人は、なんと恩師だった。

悪魔の種が蘇る―新井老人の言葉に映画監督の五城賀津雄は息をのんだ。

誘拐された子供は闇に消えた。

殺人罪で服役中の松森から美人演歌歌手の川村鳥江が受けとったファンレター。

孤独な魂たちが引き起こす戦慄のテロリズム。若者の間で、密かにその存在を囁かれる“おやじ殺しゲーム”。

八年前、大雪山旭岳で人妻がヒグマに喰われ、さらに四年前、新妻が豪州でサメに襲われた。

『ハンガリア狂詩曲』にのって華麗に踊る、チエカは浅草パリ座のストリッパー。ある日、妹分のマドカが何者かにレイプされた。

スモークをたいたゴンドラに乗り、新郎新婦が空中から披露宴会場にしずしずと入場。

なぜに心が波立つのか。昔から幾度となく考えてみた。

熊野山中の旧家・里見家で長男の仁太郎が不審な縊死を遂げる。折りしも里見家では相続を巡り親族会議が行われようとしていた。