(短編集)
怪談
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ラフカディオ・ハーンa.k.a小泉八雲の『怪談』にチェコ生まれのアニメーション作家ヤン・シュヴァンクマイエルが挿絵をつけたという、面白い組み合わせの本。 シュヴァンクマイエルは粘土製の頭像がお互いを潰し合うみたいな奇妙でグロテスクな映像作品で知られている映像作家だが、本質的にはシュールレアリストらしい。 本編のイラストは完全にマックスエルンストの『慈善習慣または七大元素』のコラージュマナーを踏襲。イギリスの古い新聞などのエッチング的イラストに日本の怪談浮世絵を合成し、小泉八雲の和洋折衷(と言っていいのかな?)のあり方を絵画様式として表現している。 ハードカバーで印刷も美しいので、小泉八雲好きの方の耽美な欲望を刺激する逸品に仕上がっているのではないかと思う。オススメです。 | ||||
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ずっと欲しかった一冊。サイズをよく見ていなかったので、イメージしていたより大きく、ちょっとビックリしましたが、この素晴らしい絵を大きめのサイズで見られるので良かったです。 | ||||
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「怪談」と言う作品は、前にも読んだこともあり、教科書のテキストにもあった様に思います。 大半の作品には、下書きになった文献があるようです。それにしても、見事に新たな物語に「再生」させています。後ろの「解説」を読むと、翻訳家としても活躍していた様なので、その能力の高さを感じます。それにしても、彼の「日本文化」への理解の高さに改めて感心します。そうした下地がなければ、この様な見事な「再話文学」は生まれなかった様に思います。 「解説」を読んでいて驚いたことがありました。それは「雪女」です。どうもこの作品は、「再話」ではなさそうだというのです。むしろ、この作品がベースとなって、各地の「雪女」話が広まった様なのです。 もう一つ、彼が日本に来た切っ掛けとなった作品が、ピエール・ロティの「お菊さん」だと言うことです。この作品は、プッチーニの「蝶々夫人」の元となった作品ですが、高校の時の「現代国語」の教科書に載っていました。改めて、懐かしく馴染み深さを感じました。 何度読んでも、すらすらと楽しく読める本だと思います。 | ||||
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チェコの奇才:ヤン・シュヴァンクマイエル監督による、言わずと知れたラフカディオ・ハーン氏の『怪談』の世界。 まさに、相性抜群のコラボレーション。 帯の謳い文句の「世紀をこえた夢の競演」に相応しい世界が、広がります。 元々、「怪談」…不思議な世界、異界の住人、異形のモノは、近くて遠い、お隣さん。 ラフカディオ・ハーン氏による、海外から見た、日本の異界感。 其れを、シュヴァンクマイエル監督が更に歪みを強めて、異形の跋扈する、狭間の世界へと異界化。 シュヴァンクマイエル監督の得意とする、コラージュとデペイズマンによって、西洋と東洋のキャラクター、絵柄と技法による其の強烈な違和感で、不和と異界感を生み出して。 そして、奇妙かつ奇怪な融合を果たしてございます。 作品は、大雑把に申しますと、ほぼ単色で描かれた西洋絵画の作品の中に、シルエットのみの、キャラクターや、部分が。 そして、其の部分には、其の形に切りとられた、全く別の、彩色日本画が。 立体と平面、彩色と無彩色が織りなす、強烈で濃密な存在感。 そういった、表現でございます。 他の方の仰る通りに、「『怪談』のキャラクター其のもの」が描かれている作品では、ございません。 ですので、「合わせて妖怪の姿を知りたい、楽しみたい」とお考えの方には、一寸異なる作品となるかとは思われます。 ですが其れはそうとして、其処はそう仰らずに。幻想生物や、芸術のお好きな方には、是非とも御覧戴きたい作品であると存じます。 シュヴァンクマイエル監督曰く: 「(前略)チェコのおとぎ話の古い挿絵に描かれる(中略)その生き物たちを私は日本の悪霊とくらべました。 そして、シュルレアリストたちが「遊戯的結びつき」と呼んでいるもの、ふたつのつながらない現実の「錬金術的な」結びつき、そして「痙攣的な美」の噴出へと到達したのです。」 其処は、凄まじい、歪みと混沌の中に現れた、世界。 記載通りに、シュヴァンクマイエル監督のカラー22点の描き下ろし作品によって、物語は、シュヴァンクマイエル監督曰くの「痙攣的な美」を生み出します。 掲載作品は、『怪談』17編、『虫の研究』3編と、全て収録されてございます。 『怪談 不思議なことの物語と研究』 耳なし芳一のはなし おしどり お貞のはなし うばざくら かけひき 鏡と鐘 食人鬼 むじな ろくろ首 葬られた秘密 雪おんな 青柳ものがたり 十六ざくら 安芸之介の夢 力ばか 日まわり 蓬莱 『虫の研究』 蝶 蚊 蟻 の構成でございます。 本文末には、 「本書の底本には、『怪談・骨董 他』(恒文社、一九七五年)に収録されている『怪談』を用いた。」 とございます。 前書きは、引用いたしましたヤン・シュヴァンクマイエル監督のものと、そしてラフカディオ・ハーン氏のものも、ちゃんと掲載されてございます。 本文は、縦書き2分割、挿絵は、1ページサイズとなります。 日本人ですら遠ざかっていった、身近に「あった」筈の、日本の一部である異界。 異なる国の、時代の方々が、こうしてカタチにしてくださったことも、素晴らしいです。 やはりきっと、否当然ながら。世界各国の伝承や神話等で解る様に、人間の原初の「畏怖」と「畏敬」は、国籍・文化問わずに通ずるものがあるのでございましょうね。 平井呈一氏による訳も、雰囲気を壊さず、其れでいてすっきりと読みやすく。格調高く、美しく馴染みます。 『怪談』、ヤン・シュヴァンクマイエル監督、そして異界の住人達。 其々のファンの方にも、是非とも御覧戴きたい1冊であると存じます。 そして、是非。深遠な、妖怪等異形の者達の世界や、シュヴァンクマイエル監督の映像作品に触れて御覧になっては、如何でございましょうか。 | ||||
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有名なラフカディオ・ハーンの「怪談」ですが、一風変わった趣向の本です。 展覧会の図録サイズで、シュルレアリズムの技法で挿し絵がつけられました。 チェコの現代作家でヤン・シュヴァンクマイエルという作家の作品です。 ルイス・キャロル「不思議の国のアリス」をイメージした映像作品「アリス」など、映像作品の方が有名らしいです。 この本ではコラージュという技法を使って、時空の奇妙な歪み、図柄の持つ意味のねじれを作り出し、彼岸の気配を演出しています。 ヨーロッパの古い挿し絵の中に挿入される、日本の妖怪の錦絵。 不可思議でおどろおどろしく、どこかおかしみを感じさせる作品になっています。 文章は現代かなづかいで、読みにくい漢字にはふりがなをふり、読みやすくなっています。 けれど音読してみるとハッキリ感じられますが、古風な言い回しや言葉遣いは残っていて、「怪談」らしい味わいを得られると思います。 | ||||
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