聖アントニウスの殺人
- サイコミステリー (30)
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冒頭の貧民街の描き方からして、チグハグ。舞台はアラスじゃなくて、十八世紀のパリ?という感じ。メルシエの『タブロー・ド・パリ』あたりの描写をそのまま持ってきたのでは?と疑いたくなる。違和感あり。警察機構についても、本当に調べたのでしょうか?パリ警察はともかく、地方の警察組織はそれほど発達しておらず、実際には現地の司法機関が兼務していたと思われる。 読み進むに連れて、その違和感は次第に強くなる。というのも、登場人物がまるで現代人だから。自立できないことに焦燥感を感じる女主人公、正義を振りかざす警官。それは現代の価値観で、十八世紀のフランスでは、人々はまったく違う考えに基づいて生活していたはず。その時代を生きている人物の確かな息吹が感じられない。そこが歴史小説の難しさですかね。まあ、過去を舞台に現代人が駆け回るお話、と思ってきら〜くに読まないとストレスが溜まります。 | ||||
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ユーゴーの『ああ無情』のモデルについて御存じの方は思わずにやりの登場人物でしょう。(最近、映画『ヴィドック』も公開されましたし)ここに13歳の少年として登場するのは、微罪で投獄され、脱獄をくり返した末、その能力を買われて警察の密偵となり、やがて刑事にまでなり、それをクビになった挙げ句、世界初の私立探偵になったと言う――嘘のようだけど、紛うかた無き実在の人物、フランソワ・ウージェーヌ・ヴィドックその人であります。 舞台は革命前夜のフランスですが、起こる事件はいわゆる切り裂きジャック事件ばりの連続幼女殺害事件。主人公の中年刑事ジョルジュは、上から押し付けられる形ではありますが、少年囚人ヴィドックを助っ人として、犯人を追うことに――。少年と言えどもヴィドックは、超したたかで、スレていて、何とも鼻持ちならない、しかも大人顔負けの筋骨隆々ガタイ。(史実に忠実なのだそう)裏社会ではいっぱしの顔で、プチブルな警察では到底得られない情報を難なく、巧みにもたらしてくれます。 一方、刑事ジョルジュ、奥さんとお母さんに尻に引かれる冴えないおっさん。しかしベテランらしく人間観察が深くて、意外や推理力にも優れています。ヴィドックの持ち込んだ材料から、着実に謎を解いてゆきます――と、まあ、こんな話。 欲を言えば主人公側キャラクターの心理がも少し個性的だったら良かったのになあと、思わないでも無いですが、あの時代の妙な、魅力的な雰囲気をかいまみせてくれかつ、読み易い時代ミステリーだと思います。 | ||||
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