青と赤の死
- ハヤカワ・ポケット・ミステリ (3)
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スペインにもこういった時代があったのかという話です。 英語の教本にたまたまこの作者の作品が好きだという例文があったので読んでみました。 資本主義と共産主義の明と暗とその交わりといった感じをベースに二人の男視点で描かれています。 | ||||
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スペイン内戦終結直後の1939年早春、復活祭を前に贖罪と許しを求める期間である聖週間。学校帰りのアレハ――マリア・アレハンドラは治安警備隊の隊員の死体を見ておびえ、ノートを落としたことにも気づかず、走り去った。配給制のご時世ではノートは貴重品である。アレハとともに暮らすビビアナはノートを取り戻しに行くが、通りかかった治安警備隊軍曹カルロス・テハダに治安警備隊員を殺したと誤解され、その場で射殺される。殺害された治安警備隊員パコはテハダの親友だった。現場に落ちていたノートは何を意味するのか。腑に落ちぬテハダは独自に調査を進める。 ビビアナはアレハの母カルメンの弟ゴンサロの恋人だった。国境警備隊員だったゴンサロは今は治安警備隊に追われる身となっていた。ゴンサロもまた、恋人を殺した犯人を追う。 スペイン内戦については貧弱な知識しかないが、この作品はそんなわたしにも、内戦後の虚脱感をもはらんだ緊迫した雰囲気をその場にいるかのように感じさせてくれる。勝者と敗者、相対する両者の視点から描く構成も読者を引きつける。愛らしく健気なアレハ、アレハの担任教師エレナの存在が印象的であり、エレナに寄せるテハダの心の微妙な揺らぎの描写には冴えが見られる。 ただ一つ残念なのは、本作がデビュー作であるためだろうか、物足りなさが感じられてならない点である。結末にはこんなふうにうまくいくかなという気持ちがぬぐいきれず、ややご都合主義な感を否めない。また、軍人として、一人の人間としてのテハダの苦悩が浅きに流れているように見える。欲張りすぎなのかもしれないが、設定はおもしろいので、足りない何か――叙情性、ユーモア、深みだろうか――を加えればもっとおもしろくなるのではないかと思う。 本作は2004年MWA賞処女長篇賞受賞作品。カルロス・テハダを主人公とする第2作"LAW OF RETURN" が既に出版されており、第3作 "THE WATCHER IN THE PINE"も2005年に出版予定とのこと。大いに期待したい。 | ||||
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