悲劇もしくは喜劇
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面白くないんですよね。 いわゆる法廷劇なんでしょうけど、想像を超えた展開があるわけでもないし、検察と弁護側の激しいやりとりがあるわけでもない。 想定内のエピソードが想定内の演出で繰り広げられ、想定内の結末をむかえ、想定内のエピローグ。 面白いですか? | ||||
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タイから日本へ出稼ぎにきたリャンは、タイ料理のレストランで働くと言われていたのに、騙されて身体を売る仕事につくことになった上に多額の借金を背負ってしまった。そんなリャンのことを好きになった大学生文彦が、リャンの境遇を知り助けてやりたいと考え、リャンたちのボスのタイ人の女性を殺害する事件を起こしてしまう。 一方、母子家庭ながら9年かけて弁護士になった佐和子は、なかなか仕事になれず失敗ばかり。それでも息子のためにがむしゃらに生きてきてなんとか弁護士としてやっていけるようになってきた。仕事に慣れてきた佐和子が世話になった弁護士で文彦の祖父の中根から、ある事件の弁護を依頼されるのだが、それは文彦がタイ人の女性を殺害した事件だった。 裁判では被告、証人が次から次へと新たな証言をし、その都度犯人が二転三転、事件の真実がなかなか見えてこない展開でとても楽しめた。また、裁判の様子が、弁護士の佐和子と傍聴人で文彦の友人の羽佐間、それぞれの視点から展開されるのも読みやすかった。裁判が終わった後も謎が残されていて、最後まで飽きずに読めた。 | ||||
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壮&美緒というシリーズキャラクターが活躍するトラベル・ミステリーとは別に、年に1作程度のペースで社会派色の強いノン・シリーズの本格ミステリーを発表している深谷忠記だが、本書は後者にあたる’08年の作品。 タイ料理店で働けると思って来日したリャン・ピアンチョンは、騙されて売春を目的としたクラブに借金を負わされて送り込まれたのだった。第一幕ではこのリャンをひいきに店に通うフリーライターの鏑木恭一と彼女に恋をしてしまう大学生石崎文彦が登場する。 すわ、本書は、人身売買・売春を問題とする社会派ミステリーかと思っていると、第二幕からホステスたちを束ねる元締めのメイ・ウェーチャヤイという女が殺された事件の裁判が始まる。被告人は石崎文彦で、弁護人は本書の主人公、母ひとり子ひとりの中年女性弁護士村地佐和子である。そう、本書は法廷ミステリーだったのである。 第二幕、第三幕と法廷場面は続く。供述をくつがえした被告人文彦、思惑通りに証言してくれないリャン、文彦の父親と後ろ暗い過去を背負い、現在も、謎めき、何かを企んでいるような鏑木、そして文彦の祖父であり、佐和子の恩人でもある仲根周三弁護士。弁護人である佐和子は、彼らに翻弄され、裁判は二転三転、どんでん返しの連続に次ぐ連続で、落ち着く先が最後までわからない。 さらに本書は、凝りに凝った構成に加え、多彩な登場人物たち、また「ひきこもり」や「振り込め詐欺」といった今日的な社会問題にも触れたり、親子のちょっとした会話をヒントにしたりするなど、読む者を飽きさせない。 終章でやっと真相にたどりつくのだが、物語は最後の最後にもうひとひねりがあった。 最後に笑う“したたかな”人物とは・・・。 | ||||
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私は、社会性ときっちりとした謎解きが融合した深谷さんのミステリーが好きで、いつも新作を心待ちにしている。今度一年ぶりに出た「悲劇もしくは喜劇」も、期待を裏切らない良質の作品だった。「毒」や「傷」といったこれまでの作品は、どれもよく練り、考え抜かれた印象が強いが、本作もそうだった。作中にさりげなく配置されたピース(伏線)が、最後にきちんと収まり、想像もしていなかった一枚の絵が現出した時には、驚きながらも、「そうか、そういうことだったのか」と納得。同時に、題名の意味するところとエピグラムの含意も了解した。 真実は、まさに“この世の中で一番面白い冗談”だった! | ||||
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