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レビュー数6

全6件 1〜6 1/1ページ

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No.6
(6pt)

発想は面白いが後半肩透かし

この本を読んだ感想をまず言うとすれば、一度読んですぐに理解できるような代物ではないということです。非常に難しいと思います。こんがらがっていてなかなか頭の整理ができません。しかし2度3度読むとそれほど難しい構造の本でないということが分かってきます。
この作品はいわゆる論理学の面白さをミステリーに導入したということです。 ただ私は論理学をほとんど知らないので、それがどのように生かされているかどうかは正確には判断できません。ただ私なりに考えるとある命題があったとしてそれに反する証明を次々と完全に粉砕することによって、ある命題が証明されるそういうことではないかと思います。ここで言うところの命題とは何か、それは「奇蹟」です

十数年前にある狂信的なカルト教集団がありました。そのカルト教集団の住む村で信者のほとんどが殺されるという事件がありました。その殺され方はほとんどが首を切り落とされるという残酷なものでした。ただその事件で唯一生き残っていた少女がいました。その少女の名前がリゼ。彼女はひそかに心を寄せていた仲間の信者の少年ドウニの首を切って殺したかもしれないこのことで精神を非常に病んでいるわけです。その真相を見つけてくださいという依頼にリゼは探偵事務所に尋ねてきたわけです。

この探偵事務所の探偵はウエオロと言いますそして助手これがフーリンという中国人女性です。この二人が中心となって話は進められるわけなんですけども、 このリゼという女性の悩みを解決する唯一の方法は何かと言うと、この事件は神の「奇蹟」によって起こされたものであって、犯人はいないのだということなのです。世の中には人知の及ばない「奇蹟」がある、この事件の真相が「奇蹟」だと証明されれば、少女の心は救われます。

そのためには「奇蹟」以外の理由を全否定しなければならない。ウエオロは数日間考えてこの事件の真相は「奇蹟」だと証明したと報告書を持って事務所に現れました。ところがこのウエオロに対して挑戦者が次々と現れてくるわけで。すこの3人の挑戦者はそれぞれが独自の推理をしてウエオロに挑んできます。ただこの勝負は明らかに挑戦者が優位なのですね。 なぜなら挑戦者はこの事件の真相は「奇蹟」ではないという可能性だけを示せばいいからなんです。実際に犯人がいる可能性だけを証明すればいい。可能性ですから100%正しいという証明をする必要はないわけです。探偵ウエオロとしては非常に不利な勝負を挑まれた訳なのですが、彼はこの3人の挑戦者の推理をことごとく粉砕し退けます。

ところがこれでめでたしめでたウエオロの勝利という風には簡単にはいかなかったのです。ウエオロの反論にも矛盾が・・・・・。ここから先はネタバレになるので詳しくはもう書けませんがどんでん返しとまではいきませんがちょっとした展開があります。

私がこの作品を読んで思った疑問は「その可能性はすでに考えた」そういうふうに言いますけども、全部の可能性ではないわけですね。挑戦者もたった三人です。実際に可能性の話で言えば無限にあるはずです。その無限なものを全て否定することは事実上不可能ではないのでしょうか。したがって「奇蹟」の証明はそもそも最初から不可能なのではないか、と私はこう思うわけです。最後にウエオロが示す本当の意味での真相というものも非常に古典的なありがちなトリックに基づいた推理であり、斬新さが全くないのです。つまりこの小説は非常に肩透かしに終わったという感じがします。登場人物もラノベ的で非常に違和感のある感じがしますし、もっと別の書き方があるのではないかと思います。そうすれば面白くなった可能性もありますが 実際はあまり面白くはありません。もっとすっきりと誰にもわかるような書き方をしてほしいというふうに私は思いました。


井上真偽:その可能性はすでに考えた (講談社文庫)
井上真偽その可能性はすでに考えた についてのレビュー
No.5
(6pt)

一気読みは必至だが、驚きに欠ける第7回アガサ・クリスティ大賞作

この作品は構成が凝っています。主な登場人物は4人。
この4人を主人公とするストーリーが並列的に進行していきます。
相沢ふたば、藤倉和博、連城美和子、御通川進の順番でそれぞれ約10ページ前後を
費やされた賞が、1人7章、トータルで28章で完結されるわけです。

4つのストーリーは一見何の接点もありません。
心に悩みを抱え心療内科に通う若い女性、相沢ふたば。
幻の名画を探す中小企業社長藤倉和博。
喫茶店を開業したいという客のために奔走する不動産会社員連城美和子。
なりすまし事件の被害者になってしまう会社員御通川進。

当然ながら興味はこの4つの物語の接点は一体何なのかということに
尽きるわけです。そこで読者としては一刻も早く先が読みたくなるというわけです。
そういう意味では一気読みは必至ですし、面白いと思いましたね。

ただこれはお読みいただければすぐ分かる事なのでネタバレにはならないと
思いますが、この4つの物語には温度差があるんですね。
ある人物の章だけがより深く書き込まれていて、ああこれがこの小説の中心なんだと
分かってしまうんですね。それが誰かは言いませんけど。

結局それ以外の人物の章は、これに付随しているおまけみたいなものであって、
そのつながりも大きな意外性もなく、無理に4つに分けた意味もあまり感じられませんでした。
あくまでも構成のための構成という感じですね。

他の候補作を読んでないので判断は難しいですが、荒削りなものより完成度の高い
無難な作品が選ばれたのだと思いますね。

4つの異なる事件が最後に鮮やかに集束という小説は飛鳥高の『細い赤い糸』という
名作がありますので是非それを読んでいただきたいですね。

村木美涼:窓から見える最初のもの
村木美涼窓から見える最初のもの についてのレビュー
No.4
(6pt)

船長のクズぶりばかりが目に付いて、腹立たしさだけが残りました。

巨大な客船の沈没事故を描いたパニック小説です。
そういう意味では手に汗握る面白さなんですが、
とにかく沈没の最大の戦犯である船長がクソ過ぎて
その怒りばかりが胸に沸いてきて素直に楽しめませんでした。

小説の中では、鹿児島の種子島にカジノが作られるという
設定になってます。実際はご存知のようにお台場なんですが
種子島にカジノの客を運ぶには船が必要なんですね。
それを一手に引き受けたいという利権欲しさにこの船長は
いろいろ無理をするんですね。
もちろん悪いのは船長ではなくこの船会社なんですが
この船長には全く同情できません。

種子島選出の議員を、早く鹿児島に連れて行きたいがために
台風が来るということがわかっていながら無理に出港し
船底に亀裂は入って水が入っているのに、認めないところは
メルトダウンはないと言い張る東電みたいで、怒りを覚えずに
いられません。
結局暴風雨のなか船は火災炎上しパニック状態になるのですが
この船長は自分と政治家が助かることしか考えていません。

主人公ともいえるたまたま客として乗り合わせた女性消防士ふたり組
の活躍、そしてかつて別の会社の船で同様の事故を起こし、
今は客室係としてこの船で働いている男などの奮闘が感動を呼ぶのですが
どうもこの船長のクズぶりばかりが目立って楽しめませんでした。
難しいでしょうが映画化すれば面白いかもしれませんね。






五十嵐貴久:波濤の城 (祥伝社文庫)
五十嵐貴久波濤の城 についてのレビュー
No.3
(6pt)

あくまでも岬洋介ファン向け

この中山七里という作家は ご存知のようにいくつかのタイプのミステリー小説を使い分けることで有名です。
彼が最も一番得意としているのはやはり音楽ミステリーだと思います。もちろん一番有名なのはあの「さよならドビュッシー」であることは疑いの余地はありません。

ところであの作品に出てきた主人公の岬洋介、音楽の天才特にピアノの天才である彼は非常にミステリアスな人物でした。その彼の高校時代の話を描いたのがこの「どこかでベートーヴェン」なんですね。つまり後日談ならぬ前日談とでも申しましょうか、岬洋介がいかなる人物であったかということがここで描かれているというわけなんです。従って岬洋介ファンにとっては面白いかもしれませんが、もしかすると知らない方にとっては面白くないかもしれません。というのはミステリーとしてはこの作品はあくまでも平均点の出来であってそれほど素晴らしくはありません。

また事件が起こるのは最初から約100ページぐらいのところなんですね。
。それまではずっと岬洋介がいかに天才であるがすごいか、
そのことだけに費やされていると言ってもいいでしょう。
だからある意味知らない人にとってはじれったいという感じがするかもしれませんね。
この岬洋介という人物はとにかく変わっていると言うか天才であるがゆえに、
ピアノ以外の事に関しては全く無頓着である意味非常に浮世離れした感じの人物です。
とにかく人の心が一切わからないと言っていいんですね。
このことは要するにクラスのみんなからの反感を買ったりするわけですそれが
事件と直接繋がってるというわけではないにしても彼が容疑者として疑われるわけにはなっているわけですね。

この岬洋介が地方のある高校の音楽科に入ってくるわけです。
音楽科と言ってもプロを目指すような優れた生徒が入ってくるそんな学校ではありません。
あくまでも落ちこぼれが入ってくる学校なんです。そこに岬洋介のような天才が入ってくると
様々な軋轢を生むわけですね。その軋轢の話が色々出てくるわけなんですけども、
この岬洋介をいじめていた同級生の少年が集中豪雨のあったその日屋外で殺されてしまうわけです。
この岬洋介は集中豪雨からクラスのみんなを救うために色々外に出て行動していたんですね。
だから彼はそのことも疑われる理由になったわけです。
彼が疑いを解くには自分から真犯人を見つけるしかない、そして探偵役となって捜査を始めるわけです。

彼は音楽の天才でもあると同時に、ある意味天才的な探偵でもあるわけなんですね。
このことはあまり触れられていませんが、音楽の才能と同時に探偵の才能もあるわけです。
とにかく頭が超人的にいいんですよ。
しかも他人のために徹底的に尽くすことのできる人間ではあるわけで、逆にそのことが、
みんなから嫌われる理由でもあるわけなんですよ。つまり人の心が読めないという
ある意味計算が一切できないそれほど純粋な男、それが岬洋介です。
岬洋介の魅力に取り憑かれた人にとっては、この小説は非常に読む価値のあるものでしょう。
ただそれ以外の人にとってはあまりお薦めすることはできません。
トリックの面でもそれほど優れたものではありませんし、犯人の意外性もあまりありません。
ただ岬洋介ファンにとっては必ず読んでおくべき作品だと思います。

またもう一つ面白いのがこの中山七里という作家の一番得意な、音楽を文章で書くということです。
音を文章で表現するといいのは非常に難しいことだと思いますが、この中山という作家はそれが非常にうまいんですね。
本人もおそらく大の音楽ファンであるのでしょう。
私のようなクラシックに疎い人間にもその魅力がかなり伝わってくるそんな感じがしますね。

まあ以上のことから結論付けるならば岬洋介ファンには必ず読んでおいてほしい本ではありますが
ミステリーとしてはあくまでも普通のものであり、それほど高い評価を与えられるものではないということです。
そのことを事前にご認識の上で読んでいただければというふうに私は思っています。
中山七里:どこかでベートーヴェン (宝島社文庫)
中山七里どこかでベートーヴェン についてのレビュー
No.2
(6pt)

「痣」の感想 前半は面白いが後半は凡庸 一気読み本ではあるが・・

とにかくこの本は読んでる途中は非常に面白いです。一気読みです​​。早く結末が知りたくてページをめくる手が止まりません。私も1時間か2時間ぐらいで読み切ってしまいました。ただ結論的にいますと面白いけれども結末が納得いきませんでしたね。動機もはっきりしないしこのようなことで大量の猟奇殺人を行うとも思えない。前半はものすごいサスペンスでしたが後半は平凡な作品になってしまったという感じしかしませんね。

主人公は真壁修という刑事です。真壁は奥さんを何者かに殺されてしまいました。そして犯人とされる人物は逮捕される直前に交通事故でたまたま死んでしまいました。そして事件が終わって1年後真壁は刑事をやめる決心をします。ところがそこから​ ​官内で次々と連続殺人が起こるんですね。これが極めて猟奇的な殺人で殺し方も残酷で、目を覆うような遺体なんですね。そして奇妙なことに殺されているその被害者は全て女性なのですが、胸に痣があるんですね。この痣と言うのが実はこの真壁の殺された奥さんがの胸にあった痣とそっくりなんです。ということは別れを殺した犯人は別にいて真壁に対して何らかの恨みを抱いて復讐をしている。そしてそのために次々と女性を殺しているんではないのかそういう風にも疑われるわけです。

ここから事件は色々急展開していくわけですね。そしてこの真壁の勤めるその警察の内部の刑事たちとの色々な人間関係の問題。これが複雑に絡んでいくわけです。この辺りの人間模様と言うのが非常に面白いですね。一体犯人は誰なのか、どんでん返しがあるのか、一体どうやって相続させるのかとても興味がありますよねそして結局最後に事件は解決を見るわけですけども、その解決の仕方がちょっと納得いかないですよね。犯人も捕まってみればなんだかなという感じがします。ある意味予想の範囲内でもあるし動機もちょっとわかりません。確かに犯人がこのような気持ちを抱いて育った人間だと言うのは分かります。かといってこれだけ猟奇的な殺人を何件も何件も犯すかと言うとそれはちょっとないんじゃないか。そういう感じがします。何か無理やりそういう人物像を作り上げて犯人にしたという感じがして、どうもこの結末は納得いきませんでした。

正直意外性もそれほどはありません。私としては最後にドカンと大きな意外性があるのかと思いましたが、それほどではなかったです。従ってこの本を評価するとすれば読むのは非常に面白いが、結末がいまいち納得いかないということで、悪くはないんですけども前半期待されたほどの結果が後半出てこないと言うのが
正直な感想です。タイトルの痣というのも思わせぶりな感じがします。一気読みであることは間違いないです。面白いことは面白いです。ただ突き抜けたものはないと言うことですね。そこが少し残念だと思います。

この作者の「乙霧村の殺人」というのを読んだことがありますが、あれも前半超面白くて、後半がひどかったのを思い出しました。
伊岡瞬:痣 (徳間文庫)
伊岡瞬 についてのレビュー
No.1
(6pt)

面白いけど、ややこしや

法条遥という作家の作品を読むのはこれが2冊目です。「忘却のレーテ」という本を以前読んだことがあり、それは非常に面白いものでした。そこでこの作品を選んでみましたがいわゆるタイムトリップものまた別の言い方をすればタイムリープもの、 まあいわゆる時間を移動するということですね。こういう作品の特徴としては時系列が非常に複雑になって理解しづらいというのがあります。 この作品も発想がいいんですが、やはり一回読んだだけでこの内容を全部理解するというのはほぼ不可能。おそらく作者は手元に図を描いてその図を見ながら全体の構図を頭の中で描いたんだと思いますけども、やはり読者がこれを読んですぐに理解するというのは無理だと思います。とにかく突っ込みどころがたくさんあります。しかしそのツッコミどころを言っていたのでは完全にネタバレになってしまうので、ここでは書けません。そこが歯がゆいところではあります。とりあえず私のレビューの基本としてはネタバレはしないというのが信条としてありそこはもう我慢するしかないということでしょう。一応物語の発端だけ書いておきますと、1992年の夏に主人公である美雪のクラスに園田保彦というイケメンの少年が転校してきました。この少年は実は未来人だったのです。彼は300年後の世界からやってきた未来人で、その目的はちょうどこの時代に書かれたある本を探すためにタイムリープしてきたのです。彼は300年後の世界ではある研究をしている研究員でした。天才的な研究員で自らタイムリープする薬を発明しその薬によって1992年にタイムリープしてきたわけです。主人公の美雪はこの園田という少年に恋心を抱きます。この事は後になって重要な要素の一つともなるわけですが、ある日校舎が崩れて園田が生き埋めになるという事件が起こります。美雪は彼を助けるために彼からあらかじめもらっていたタイムリープの薬を飲み10年後の自分の部屋にタイムリープします。そこにあった携帯を手に元の現場に戻りその携帯を適当にいじっていると、生き埋めになった園田少年の持っていた機械が反応し園田少年は救出されます。この辺りにもかなり突っ込み所はあるのですがもうそこはいちいち気にはしていられないでしょう。
1992年の世界から10年後の2002年の世界に飛び携帯を持ち帰ったこのことによって、歴史の因果がある意味変わってしまったわけです。それを正すにはどうしたらいいか。それは2002年になるまで待ってその携帯を元の場所に置くということです。彼女は携帯を大事に保管して10年経つの待ちました。10年前の自分がその携帯を取りに来るのを。ところが10年前の自分は一向に現れません。携帯はそのままです。これはおかしい、もしかすると歴史がその後変わってしまっていたのかもしれない。 一体何が起こったのでしょうか。発端はこういう感じです。そしてその後彼女の周りには奇妙で不可思議な様々な事件が起こります。園田少年が未来の世界から探しに来たという本も、非常に重要なこの物語の要素となっていると思います。細かいことは言えませんが、とにかく時間が行ったり来たりしてなかなか理解できないです。全体的な印象としたら面白かったと思いますが、タイムリープものは非常に頭を使わされるので疲れます。白河三兎という作家の「もしもし還る」という作品もそうでした。あれもこんがらがってよくわけのわからない作品でした。お読みになっていない方がいらっしゃれば読んでみてもらいたいと思います。未だに私は理解できていません。このリライトという作品には後になって続編がいくつか書かれているようですが、今のところ私は全く読んでいませんもちろん。機会があれば読みたいと思います。全部読むことによってもしかするとこの最初のリライトという作品の内容をより理解できるかもしれない、そのような期待があるからです。

作品に関してはこれ以上語れないのですが、タイムリープというものに関して私はちょっと昔から疑問を持っております。というのはタイムリープ自体はもちろんまずありえないものだという風に思いますが、仮にあったと仮定してもなぜタイムリープをする人間は時空から切り離されているのでしょうか。これがよく分からないんですよね。タイムリープをして昔に帰れば自分も歳が若くなって生まれる前に戻って自分は消えてしまわないのか。そこが不思議でならないんですよ。タイムマシーンでスイッチを入れて過去に戻ったらスイッチを入れる前に戻らないんでしょうか。タイムマシーンの内部だけは時空から切り離されてしまっているのでしょうか。タイムスリップをする時にはなぜ裸ではないんでしょうか。着ている衣服まで一緒にタイムリープしてしまうのは一体どういうわけなのか、不思議でしょうがありません。衣服は身体に接触しているからということでしょうか。であるならば、靴の下にある地面も体に接触していますから土の塊も一緒にリープしてしまうのか、よく分かりませんね。この辺のところを分かっている方がいれば聞いてみたいものだと思っております。

もう一つ付け加えるとタイムリープをした場合リープをした先の状況がどうなのかということですよね。もしリープをしたその先が海底だったらどうなんでしょうか。あるいは地面の中だったらどうなんでしょうか。リープをした瞬間にその人は死んでしまいますよね。それを防ぐにはどうしたらいいのかと言うと例えばロボットを先に行かせるとか、そういうのがあるでしょう。非常にめんどくさいなという感じはします。タイムリープ先がどんなところかそれを事前に確かめないと生命の安全は保障されないと思います。例えば10年後の同じ場所に何か別の建物が建っていたとしてその壁の中に現れたとしたらその壁に押しつぶされてすぐ死んでしまいますよね。その辺の疑問を分かっている方に解説していただきたいなという気がします。

タイムリープというのはパラドックスというものを非常にはらんでいるものですから、いくらでも小説が書けてしまいます。ただそれには相当な実力というものが必要になると思います。これまでも、数多くのタイムリープものが書かれてまいりましたが、初期のものは非常に単純でわかりやすかったのでそれなりに面白かったのですが、今書かれているようなタイムリープものは複雑さが増しており、なかなか理解しづらい楽しみづらいものになっています。そこをもっとわかりやすく説明することがこれからのタイムリープものの作者に求められることではないでしょうか。書いてる本人が分かっているだけではだめです。読者が簡単に理解できるようなものを期待したいと思います。
法条遙:リライト (ハヤカワ文庫JA)
法条遙リライト についてのレビュー