カブール、最悪の13日間
評判
カブール、最悪の13日間の評価:
4.00/5点 レビュー 1件。 - ランク
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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カブール、最悪の13日間の評価:
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我々がなかなかその思想と宗教的背景を理解し難いアフガニスタンという国家。多くの欧米のスリラーを読むことによって培われた偏ったタリバーン像。しかし、誰もが国家の本当の姿など把握できたためしはないことを自戒しつつも、戦闘が蔓延るアフガニスタンという国家の持つ危険性と怪しさを本書はよく伝えてくれていると思います。
時折、作者がフランスの警察官になるまでの経緯がインサートされていて、最初は無駄な描写に思えたりもしましたが、そこに内在するフランスという国に根付く<差別>問題が、今回の脱出劇を逆側からプロジェクションさせていて、そのことはリーダビリティに於ける効果とは別に、作者に或る種の「神」の視点を与えているようにも思えます。それは、不遜でありながら、しかしそうでなかったとしたら乗り切れなかった過酷な、あまりにも過酷な現実という名の<脱出行>が張り詰めた緊張感の下に横たわっていたことを認識させてくれます。尽きるところ行動と決断の積み重ねによってのみ勇気が語られることになります。
国家の自立もまた人間の自立同様、<依存>との関係性を持って語られるべきだと思いますが、タリバーンの復権によって回復しつつあるアフガニスタンの成り立ちに決して希望がないわけではないと思うことにもなりました。米国という名の悪しき依存にいつまでも囚われる我が国(日本)に比して。
⬜︎「カブール、最悪の13日間」(モハメッド・ビダ 早川書房) 2024/4/24。