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メリリーの痕跡
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メリリーの痕跡の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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新聞記者や雑誌ライターを経て四十代で作家デビューした往年のアメリカ推理小説界の才人ブリーンの軽妙洒脱な最後のミステリー作品です。著者は処女作「ワイルダー一家の失踪」が江戸川乱歩の解説で紹介されて有名になり、18年間で著したミステリー長編がわずか7冊と寡作ながらも本書を最後に全作の紹介が完了したのは真に幸運で喜ぶべき事だと思います。唯一残念なのは残りの6冊が現在絶版本で入手困難な点で、本書の刊行を契機にして復刊されればと願います。さて、本書のヒロインの美人女優メリリー・ムーアは、M・Mとイニシアルも同じなのできっと誰もが気づくでしょうあのマリリン・モンローがモデルで、本作は彼女が亡くなった1962年の4年後に発表されています。 主人公の雑誌記者ウィリアム・ディーコンは恋人トゥーイ=トゥーイと友人のドーラン夫妻の3人を招いて豪華客船モンマントル号に乗り込み、密かにお忍びで乗船する美人女優メリリーの警護を引き受ける。彼女は自分には予知能力があると言い、やがて不吉な夢が正夢となり次々と彼女を守る立場の人々が殺されて行くのだった。 本書は久し振りの休暇旅行で浮き立つ都会の男女のお洒落な会話から始まって、途中で残虐な殺人も起こりますが、決して深刻なムードにはならず終始華やかな雰囲気に包まれた明るく軽いノリの物語になっています。ディーコンは素人で警察の助けを借りず時々無茶な事もしますが、どさくさに紛れて何時の間にか事件を解決してしまう達者な人物です。ミステリーの趣向は船内の旅客の中で怪しげな行動をするスパイの様な人物を会話の手掛かりを基に探し出す形でクイズやパズルを連想させます。他にもメリリーの奇妙な超能力への興味や魅力たっぷりのお色気が物語に華を添えています。論創海外ミステリは本書を含め大傑作でなく水準作でも紹介し、忘れられた作家を甦らせて再び注目させる意味で非常に功績が大きいと思います。 | ||||
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