人間の本性を考える

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人間の本性を考えるの評価:

4.03/5点 レビュー 39件。 A ランク

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平均点4.03pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全66件 61〜66 4/4ページ
No.6
(5pt)

嘘を暴きだす

・人間に生まれつき能力の差はない
・男女に性差は無い
このような言説を信じる人がいるだろうか? いるのである、アカデミズムの狭い世界では。彼らは、大方マルクス主義あるいはポストモダニストで、自分のイデオロギーとかみ合わないものを「無い」と言ってきた。
そのため、混乱した言説は、無意味に難解になり時に意味不明になり、変なレトリックで頑張って否定せざるをえなかった。ソーカルの「知の欺瞞」でその駄目駄目さを指摘され、さらに追いうちをかけるのが本書だと言える。
行動生物学、遺伝学、脳科学、社会生物学を駆使し、社会のあらゆる事柄に言及する。ピンカーのリズムのよい、時の饒舌な文章に多くの読者が惹かれるだろう。ナチズムとマルキシズム。この両極端のイデオロギーがなぜ同じように全体主義になり、大多数の(一億人!)虐殺を行なったのか。レイプはなぜおこり、またどうすればそれを減少させることができるのか。他にも性差、子育てと、ピンカーのフィールドは幅広い。
誤解して欲しくないのは、進化心理学は決して「全ては遺伝だ」とも言わないし、また「レイプは生得的な欲望だから仕方ない」と主張などもしない。その点、勘違いはしないで、読むべきだろう(普通に読めば勘違いなんかしないけど)。
人間の本性を考える ~心は「空白の石版」か (下) (NHKブックス) Amazon書評・レビュー: 人間の本性を考える ~心は「空白の石版」か (下) (NHKブックス)より
4140910127
No.5
(4pt)

面白いんだが・・・・

各巻、1冊ずつレビューしてきましたが、ようやく最終巻。
 この下巻では、生得的なさまざまな人間本性が存在するという立場から、政治・暴力・ジェンダー・子育て・芸術の5分野について論じます。ここでも議論は論争的で、つねにタブラ・ラサ説の主張を視野に置きつつ、主に進化心理学の立場からそれに反論し、時に嘲笑を投げかけながら自説を展開していきます。最後の第Ⅵ部は、5つの文学作品からの引用に絡めて人間本性の諸様相を語ることで締めくくられます。
 私としては、やはり子育てについて論じた章がもっとも刺激的でした。進化心理学的な統計の意味合いをどう受け取るかで、かなり微妙な面もあるようですが、要するに親はどうあがいても子供のパーソナリティーに影響を与えることはできない! という話です。まあ、よく考えれば、操作できるほうが怖いんですけどね。
 しかし私としては、やはり著者の主張を丸呑みはできないな、という感想を持ちました。タブラ・ラサ説の誤りはそのとおりだろうけど、ピンカーの議論もかなり大風呂敷のように思います。ここではそれを検討できませんが、とにかく上巻の分子レベルの話から下巻の心理学的レベルまで、広範囲の議論がめくるめくような華麗さで展開される中、タブラ・ラサ説攻撃が執拗なのに比して、自説のポジティヴな展開はかなり冒険的ではないかという印象です。
 ただし、タブラ・ラサ説の粉砕というだけでも、この本の意義は大きいと思います。まともに受け止めれば、深刻な問題が山ほど発生するはずですが、さて、私たちはこれをエンタテインメント的に消費する以上のところに踏み込めるのかどうか・・・
人間の本性を考える ~心は「空白の石版」か (下) (NHKブックス) Amazon書評・レビュー: 人間の本性を考える ~心は「空白の石版」か (下) (NHKブックス)より
4140910127
No.4
(2pt)

プチ・サイエンスウォーズ

ヒトは生まれながらにナニかをもっている,という生得論者の著者が,反生得論者に反論する形で,認知科学での生得論を,領域横断的に広く説明したもの。 などという単純化矮小化が,挙句,誤解と反感とを産み,実の無い論争を引き起こす。 そこに見事に引きずり込まれたピンカー。 結果,これほどの才能がComputational Neuro Scienceの最前線から取り残され,前時代的に物語る認知科学をいつまでも主張せねばならなくなっている。 人間の本性とは,無益な争いに疲れることなのか,悲しい気持ちで読了する一冊だった。
人間の本性を考える ~心は「空白の石版」か (中) (NHKブックス) Amazon書評・レビュー: 人間の本性を考える ~心は「空白の石版」か (中) (NHKブックス)より
4140910119
No.3
(2pt)

プチ・サイエンスウォーズ

ヒトは生まれながらにナニかをもっている,という生得論者の著者が,反生得論者に反論する形で,認知科学での生得論を,領域横断的に広く説明したもの。 などという単純化矮小化が,挙句,誤解と反感とを産み,実の無い論争を引き起こす。 そこに見事に引きずり込まれたピンカー。 結果,これほどの才能がComputational Neuro Scienceの最前線から取り残され,前時代的に物語る認知科学をいつまでも主張せねばならなくなっている。 人間の本性とは,無益な争いに疲れることなのか,悲しい気持ちで読了する一冊だった。
人間の本性を考える ~心は「空白の石版」か (上) (NHKブックス) Amazon書評・レビュー: 人間の本性を考える ~心は「空白の石版」か (上) (NHKブックス)より
4140910100
No.2
(4pt)

読み出したら止まらない。

上中下3巻本なので、読み進めるのと同時進行で、1冊ずつレビューしていきます。
 上巻では脳科学・心理学・言語学など、最先端の諸科学の成果をマシンガンのように浴びせかけて、タブラ・ラサ論を完膚なきまでに叩きのめします。個人的に特に興味深かったのは、脳の可塑性を示す諸結果が脳の遺伝的構成の主張を覆すものではないことを示す議論でした。腑に落ちました。
 さらに第Ⅱ部では、生得性を視野に入れて人間を論じた人々がいかに不当な批判を浴びたか、タブラ・ラサ説に固執する知識人たちがどのような欺瞞に陥ったかが論じられます。
 ここまでの議論は、ジェットコースターに乗っているような息もつかせぬ展開。圧倒的にオモシローイ。実は深夜に上巻を読み終えたとき手元に中巻がなく、それでもすぐ続きが気になって書庫に積ん読してあった原書を引っ張り出して読み始めたくらいです。
 ただし、「タブラ・ラサ論は誤り」、「遺伝的に規定される人間本性がある」という主張には深く納得したのですが、ではその本性の具体的な内容、生得性の程度がいかほどかについては、試論的な水準に留まっていると思います。続きをちょっと覗いた限りでは、議論はそちらではなく、生得性を肯定することの社会的意味を検討する方向に向かう様子。
 最後にもう一言。このような内容の本がかつてのような社会的憤激を浴びず、むしろ多くの人の関心を惹き、ベストセラーになり、肯定的な評価を受ける状況と、冷戦終結・ソヴィエト崩壊という時代状況との関連性は、あると思います。そして中下巻の議論には、冷戦終結後の世界の思想的混迷を打破できるかどうかが賭けられているはずです。
人間の本性を考える ~心は「空白の石版」か (中) (NHKブックス) Amazon書評・レビュー: 人間の本性を考える ~心は「空白の石版」か (中) (NHKブックス)より
4140910119
No.1
(4pt)

読み出したら止まらない。

上中下3巻本なので、読み進めるのと同時進行で、1冊ずつレビューしていきます。
 上巻では脳科学・心理学・言語学など、最先端の諸科学の成果をマシンガンのように浴びせかけて、タブラ・ラサ論を完膚なきまでに叩きのめします。個人的に特に興味深かったのは、脳の可塑性を示す諸結果が脳の遺伝的構成の主張を覆すものではないことを示す議論でした。腑に落ちました。
 さらに第Ⅱ部では、生得性を視野に入れて人間を論じた人々がいかに不当な批判を浴びたか、タブラ・ラサ説に固執する知識人たちがどのような欺瞞に陥ったかが論じられます。
 ここまでの議論は、ジェットコースターに乗っているような息もつかせぬ展開。圧倒的にオモシローイ。実は深夜に上巻を読み終えたとき手元に中巻がなく、それでもすぐ続きが気になって書庫に積ん読してあった原書を引っ張り出して読み始めたくらいです。
 ただし、「タブラ・ラサ論は誤り」、「遺伝的に規定される人間本性がある」という主張には深く納得したのですが、ではその本性の具体的な内容、生得性の程度がいかほどかについては、試論的な水準に留まっていると思います。続きをちょっと覗いた限りでは、議論はそちらではなく、生得性を肯定することの社会的意味を検討する方向に向かう様子。
 最後にもう一言。このような内容の本がかつてのような社会的憤激を浴びず、むしろ多くの人の関心を惹き、ベストセラーになり、肯定的な評価を受ける状況と、冷戦終結・ソヴィエト崩壊という時代状況との関連性は、あると思います。そして中下巻の議論には、冷戦終結後の世界の思想的混迷を打破できるかどうかが賭けられているはずです。
人間の本性を考える ~心は「空白の石版」か (上) (NHKブックス) Amazon書評・レビュー: 人間の本性を考える ~心は「空白の石版」か (上) (NHKブックス)より
4140910100