生活苦にあえぐ旗本の間で、娘を裕福な商人の後添いにすることが増え、幕閣内で問題になっているらしい。

北町奉行所定廻り同心・井原伊十郎は、縁談相手の百合と、音曲の師匠おふじの二人の美女の事で深い懊悩を抱えていた。

冬を間近に控えた晩秋のある日、豊島町にある鼻緒問屋『和賀屋』から三十両が盗まれた。

縁談相手の百合との破談騒ぎを免れた北町奉行所定町廻り同心・井原伊十郎は、盗人『ほたる火』の探索に心血を注いでいた。

鳴りを潜めていた盗人『ほたる火』がまたもや出没し、北町奉行所定町廻り同心・井原伊十郎は再度探索を始めた。

北町奉行所定廻り同心・井原伊十郎に、上役から縁談話が持ち込まれた。

石出は、殺人の罪を償って13年ぶりに出所。真面目に仕事を始めた矢先、石出の部屋で、祖母の介護担当だった女性が殺される。

忘れるために生きてきた―― 下級武士から次席家老へ。