二十一時の渋谷で キネマトグラフィカ



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初公開日(参考)2021年09月
分類

長編小説

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二十一時の渋谷で キネマトグラフィカ (創元文芸文庫)

2023年09月19日 二十一時の渋谷で キネマトグラフィカ (創元文芸文庫)

働き方は人それぞれ。 自分の道は、自分で決める。 元号が変わった年。老舗映画会社の買収をきっかけに、 会社員たちは自らの働き方を問い直すーー 〈マカン・マラン〉の著者がおくる、大人の群像劇! 新元号が発表された二〇一九年四月、老舗映画会社・銀都活劇の宣伝部で働く砂原江見は岐路に立たされていた。勤務先が大手IT企業に買収されると決まったのだ。すべての企画が止まった社内には、弛緩した雰囲気が漂っている。DVD宣伝を手がける江見の部署も、一癖ある部下たちも、この先どうなるかわからない。では社名が消えるまでに、自分は何がしたいのかーーすべての働く人にエールをおくる、傑作エンタテインメント!(「BOOK」データベースより)




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No.2:
(4pt)

多分どの年代の人が読んでも、色々考えさせられる小説

多分どの年代の人が読んでも、色々考えさせられる小説。
舞台は東証一部上場の映画配給会社。そもそもそんな業種の会社があるとかよく分かっていないのだが、海外で上映されている映画で日本にまだ紹介されてなく、多分これなら日本でも人気が出るだろう…というような映画を見つけ出し、契約して日本で上映する権利を得て、その後映画館に交渉して日本中に映画を広げるような仕事をしている会社なのだろう。

そもそも映画を見に行く人口ってどんな感じで推移しているのだろう。調べてみたら1960年頃は年間10億人が映画見に行っていたのに、2020年頃は1.5億人くらいになっている。(2019年が2億くらいあるのに2020年は1億くらい。2019年に何かとんでもないヒット映画があったのだろうか…)。

その会社がM&Aでなくなることになり、今の社員は色々な判断をしなければ成らない状況に。主人公はこの時がチャンスとある新しい企画を提案し、もう何をやっても同じじゃんとか思っている上司を、ある方法で説得し何とかスタートするのだが。

この会社、本当に色々な人がいて、まるで自分の会社を見ているようだった。この人はうちの会社で言えばあの人だ、もしかするとこいつは俺に似ているのか…など考えながら読むととても面白い。徹底的に悪い奴が出てこないのも安心して読めるのかもしれない。しかも水戸黄門では無いが、ああここでこんな人がちゃんと出でくるのか…という安心感もあり、ハッピーエンド的に進んでいくのも有難い。

映画好きが読むと本当に感動するというか想いに耽る話になるだろう。まあ世の中こんなに上手くいくことはあり得ないので(笑)、そこが小説の良い所なのだが。

これから映画館はどうなっていくのだろう。新聞とネットニュースの関係とはまた違った良さ悪さがあるので一概に「もう映画は無くなります」とは決して言えないが、厳しい産業であることにはまちがいない。でもいくらネットが盛り上がっても映画作る人たちがいないとコンテンツはできあがらないし、いい映画はすごい人が作らないと面白くはならない。映画と言う文化を残すのと、新聞を残すのはある意味人類の課題なのかもしれない。ジャーナリズム・エンターテイメントにおいては。

そんな事を色々考えさせられながら読む本です。
二十一時の渋谷で キネマトグラフィカAmazon書評・レビュー:二十一時の渋谷で キネマトグラフィカより
4488028500
No.1:
(3pt)

なんだかんだいって、認められている人たち側の悩み

後から気が付きましたが、同じ会社を舞台にした前作があるようです。登場人物が重なるので、前作を読んでいたほうが楽しめたように思いますが、ストーリーを追うこと自体は、読まなくても支障はありませんでした。
章毎に語り手が変わる構成で、語り手は一人を除いて女性たちです。語り手は変わっても、全体のテイストは、仕事を止めて家庭に入っても、仕事に邁進しても、上役の顔色を窺って生きても、それぞれ悩みがあるけど、でも前向きに生きていこう、という感じです。基本的に(会社での地位だったり、周囲に認められることだったりといった何らかの形で)成功している人たちが、それでも私には何かが足りないといって悩んでいる様子が描かれています。
その一方で、本人なりに頑張った挙句、会社から追い出される人は作中では脇役扱いです。元気づけられるよりも、なんだか居心地が悪くなる一冊でした。
二十一時の渋谷で キネマトグラフィカAmazon書評・レビュー:二十一時の渋谷で キネマトグラフィカより
4488028500



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