はだか大名
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直之助は本来なら藩の後継ぎだったはずなのですが、将軍家から押し付けられた養子が若殿になってしまいました。この新藩主が暴君で、悪政も行うし、切り捨て御免などの暴行も繰り返し、遂には直之助の恋人が手ごめにあって自決してしまい、ショックを受けた直之助は家を飛び出します。そして浮世捨三郎と名乗り、その辺の実効性には疑問もありますが、外から藩を正そうとしていきます。たまたま、暴君を後押しする佞臣、佞臣が雇った悪人など、すべてが繋がっていくのですが、正義漢の直之助が悪人退治をするなかで、小稲や美代といった女性に惚れられたり、当初は悪党だった泥棒の伝次が頼もしい味方になったりもします。 直之助は世間知らずでズレているので、前半はユーモラスなキャラですが、真面目に悪を正そうとする青年なので、山手樹一郎の一部の悠然キャラが陥ることのある「大ピンチだし犠牲者も何人か出てるのにマイペースにコミカルな言動を繰り返す異常者」という像にはなっていません。育ちの良さからくるユーモアと、真剣なヒーロー像を両立しています。恋人を失ったことによる静かな憤りがある点も、多少ズレたことを言っても真剣であることを裏付けています。そして、彼は剣も強いのでチャンバラもありますが、暴君の言いなりになって(または自身が暴君をコントロールして)悪事を行う連中を論破していく会話部分が痛快です。 伝次も悪役として登場しますが改心したうえ、直之助に親友と言われたのが嬉しくて、相棒として活躍するのが微笑ましい。 そうして直之助や伝次が真面目に戦っているのに、恋に酔っている美代や、焼きもちや嫉妬でヒステリーをおこす小稲などの邪魔なこと(笑)。しかも、一人で騒いでるだけでも邪魔なのに、何回とめても勝手に動いて捕まったり足手まといになって本当に邪魔をする。まあ最後は悲劇的な展開もあり、直之助を助けるのですが……。作者自身も滑稽な女たちとして描いているとは思うのですが、現代の目で見ると過剰すぎて、作者の意図とは違う感じでシュールな笑いになっています。 山手作品は最後まできちんと解決せずに「こうして解決していくだろう」という風に終わることも少なくないですが、本作は問題が問題だけに、暴君や悪人たちにもきちんと結末がついて終わります。直之助の論破といい、結末といい、(悲劇もありますが)スッキリとする作品です。 | ||||
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