これは花子による花子の為の花物語
- 哲学の道 (8)
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引きこもりの少女が体験する不思議な現実を描いた作品。多くの場面がありありと眼前に現れ、のめり込んだ。主人公の花子があまりにもかわいそうで涙ぐんでしまったし、水占いのシーンは鳥肌が立った。 美しくて乙女な喩えが散りばめられており、ドリーミィ。読んでいるときらきらした可愛い世界に自分まで入ったような感覚になる。 だが所々、不穏な雰囲気があってドキドキした。一転して怖い話になっていきそうな…。もちろん全体を通してハートウォーミングな成長物語であり、怖い話になどならないのだが、ふとしたときに足を踏み外してしまいそうな危うさがある。心を揺さぶられ、面白いなと思った。 また仕掛けや構成の妙以上に、花子のキャラクターの面白さが刺さり、愛着が湧いた。 物語が終わった後も、主要登場人物たちの今後が気になるような感じ。とにかく、読書に夢中になれるような幸せな時間を過ごさせてもらいました。 | ||||
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なぜ人はひきこもり異世界に惹かれてしまうのか探りたくて購入。 この物語の主人公はあることがきっかけで学校に行けなくなり部屋に閉じこもってしまう。そんなとき、何気なく始めたスマホゲームに架空の自分という居場所を見つけ、そこで知らない人とメッセージのやりとりを行う。 昨今、こういったケースでトラブルに巻き込まれることがある一方で、この少女のように一歩前に出る勇気をもらう人もいる。 いまの世代の若者文化を知らない親世代は読んだ方がいいかもしれない。というのも自分の子が学校に通えなくなり閉じこもる可能性もあるのだから。 | ||||
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京都の繊細で美しい情景が浮かびました。 少し謎解きぽさもあって、恋愛小説が苦手な私も飽きることなくさくさく読み進められました。好きな人に会いたくなります。 | ||||
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孤独な人の脆さ、その裏返しの欲求や強さが丁寧に描かれています。 放った言葉が持つ殺傷力と治癒力を改めて感じる。 作者の過去作品の総集でありながらミステリー要素の加わった最高傑作です。 はっとするような気づきの瞬間が何度も用意されていて、美しいなって映像が心に焼きついて離れません。 恋する乙女が大好きな可愛いものもたくさん出てきてワクワク心ときめきます。 読み手それぞれの経験や夢の感覚、想像の世界に、物語で描かれるシーンがリンクしてくるので、ああこれ知ってるな。これわかるなあって感じます。 たとえば教室の空気や、昔飼っていたペットとの思い出、別れの記憶、幼い頃に受けた傷、好きな漫画や遊び、離れた友人、良くも悪くも心に響き残る言葉、そういったノスタルジーに共感する。 どこで欠けたんだろう、何かなくしてしまった気がする、夢を思い出そうつかもうとする、片割れを探してるような切ない感覚。 だから不完全な真夜中を生きる花子とレンという青年に感情移入してしまうんです。 花子とレンもまたそうやって相手に自分を見ます。 辛かった経験も、嬉しかった出来事も、この作者は自分のことを知ってくれているような気がしてしまう そんな本との出会いのことも描かれているんですが、同時にこの本自体がそういう存在になる二重構造になってる気がします。 一人称の登場人物達の感じるままに私も一緒になって心震え。 読み進め、ある章のタイトルを開いた時、そして再びこの不思議な本のタイトルを見返した時に、はっと涙が溢れるんです。こんなのは初めて。 はっきりとは書けませんが、これは花子による花子の為の花物語。それは木爾チレンによるあなたの為の物語だと気づく瞬間でした。 京都駅、貴船神社、哲学の道、水族館、作者自身が辿り、この本を生み出すまでに苦しみ今まで積み重ねてきたことのひとつひとつが詰まっていて、それは本当に中村祐介さんが表紙に花子のキーアイテムとして美しく散りばめた如く、人生をかけて経験し、本や作品との出会いで追体験してきた誰もに通じる哀しみと幸せ。 作者が人生をかけて綴った物語を、読者の私も人生をかけて読んでるんだなって強く感じました。 私自身の無駄に思えた時間や、消したかった過去が、この作品を読んで感動することを手伝い、救われた気持ちにもなりました。 小説の中に小説が出てくる構造、夢の中でみる夢のような 運命のパラレルワールドが幾重にも重なって、そこには読み手の人生や今まさに本を開いている様子までもが重ってくる 作者が選び抜いた言葉の魔法なのだと思います。本当に面白かった。胸が熱くなり号泣しながら読みました。 | ||||
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