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ニコラス刑事 さんのレビュー一覧

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書評・レビュー点数毎のグラフです平均点5.00pt

レビュー数1

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(5pt)
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隻眼の少女の感想

麻耶雄嵩の作品は難しい、一筋縄ではいかない。これが私の認識。でも前に読んだ「蛍」はがっかりしている。この「隻眼の少女」はなんだろう。本格へのアンチテーゼ?素直に読むなら禁断の手を使った愚作と云える。意味不明の謎は投げっぱなし、容疑者はアリバイのみの容疑者で、動機はさっぱり見えてこない。自白の言葉はどこまで真実か誰もが解らない。他のレビューを読むと皆さんけっこう深読みしておられるが、それならそれで非常に読者を選ぶ作品といえる。探偵とは何か、これがこの本の命題。読者一人一人の答えで物語の幕を閉じる、とてもアクロバットなメッセージを含んだ一冊なのだろうか。そもそも、事件≒解決のロジックが存在しない。事件と物語の隙間からこぼれ出る約束事や定石への不確かさの物言いを探偵がするというお遊び。まともに読んでいては付いていけない問題の書である。
最後に苦言をひとつ、腹話術の声でも人間の耳は前からか横からか後ろからか聞きわけは出来るでしよう。それすらも読者に預けっぱなしの仕掛けであり解決するのは読者≒探偵ってことですか?

隻眼の少女
麻耶雄嵩隻眼の少女 についてのレビュー