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死を騙る男
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死を騙る男の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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トロント近郊の田舎町の警察署長(代理)の女警部補を主人公とした異色の警察小説という触れ込み。当該警察署は統廃合候補の憂き目に会っており、かつその長が61歳の女性ヘイゼルである点が特徴であるらしい。ヘイゼルは私生活でも上手く行っておらず、逆境と闘う女性をテーマとしたものか。これに、サイコパスによる異教狂信的連続殺人が加わる。 しかし、まずヘイゼルの性格が破綻している。全州にまたがる猟奇連続殺人事件が起きているのに、自らの保身のために自署内で事件を解決しようとする独善性と驕慢性。その上、アルコール依存症で仕事中にもアルコールを欠かさず、思考力・洞察力・統率力に乏しいため、捜査は行き当たりばったり。唖然とする他ない。一方、ヘイゼル達の捜査模様とカットバックで、サイコパスの行動・心理・境遇が描かれるが、造形が陳腐そのもので、こちらも呆然とする他ない。全体としてヘイゼルの私的物語を中心に描きたいのか、捜査過程・犯人との対決をスリリングに描きたいのかハッキリしない点も作品を茫洋としたものにしている。かなりの頻度で挟まれる風景・人物描写は丹念とも言えるが、些末な点を書き込み過ぎていて、作品のモタモタした印象を増長していると思う。それでいて、舞台の田舎町や主要登場人物を鮮明には描き切っていないのである。 普段触れる事のないカナダの社会事情(イギリス系・フランス系住民間の確執など)を垣間見られる点が唯一の取柄か。原住民居住区を舞台として登場させている辺り、本来は無縁社会、孤独死を含む高齢者問題・人種問題等を主眼とした社会派を目指している作家なのではないか。 | ||||
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