死を騙る男



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    初公開日(参考)2011年01月
    分類

    長編小説

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    死を騙る男 (創元推理文庫)

    2011年01月27日 死を騙る男 (創元推理文庫)

    小さな町の平穏は、その冷酷な殺人で完全に破られた。なぜ連続殺人犯は、末期の人々を手にかけるのか? 国難を抱えた女性警察署長が追う。大型新人が放つ迫真の警察小説! (「BOOK」データベースより)




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    No.3:
    (4pt)

    異形の警察小説

    十一月十二日(金曜日) 午後三時
    「彼は約束の時間ぴったりに現れた。」
    原題「訪問」。時間通りに男が老女を訪れる。癌におかされ余命いくばくもな
    い彼女に死の儀式を行うことから物語は始まる。彼の行為は老女を苦しませる
    ことなく淡々と進む。しかし残された遺体は無残なまでに損壊されていた。
    死神のごとき容姿をした男は一人の殺人を終えると、次の犠牲者(希望者)に
    向かって殺人行を続ける。
    舞台はカナダの西にある小さな町。地元警察署は署長代理の女性、ヘイゼル
    61歳が全責任をまかされている。
    小説前半では死神のような男が、惨忍な方法で犠牲者を淡々と殺し続けていく
    のだが、物語が何故か遅々として進まない。
    捜査が進まないのだ。小さな町で12人しか署員がおらず署長もヘイゼルが代理
    を務める劣悪な環境の捜査陣。ヘイゼルも背中に障害をもち、鎮痛剤とアルコ
    ール漬けに加え生活環境も離婚と老いた母という重い現実を背負っている。
    捜査進行をはばむようなカナダの重い冬の寒気が全体をおおっているかのよう
    だ。死神のような男はただのサイコパスではない。殺人を犯さざるをえない暗
    い心の底には宗教的な動機がみえ隠れする。
    死神が狙う残り数人の犠牲者のうち次のターゲットは女医であった。宗教が科
    学と対峙するとき滞っていた物語が爆発する。すべてが暴かれる過去の殺人の
    残虐さが腐臭とともに飛び散る。心身ともに痛めつけられたヘイゼルと「呼ば
    れ来し者」として誤ったプライドをもつ死神サイコパスとの対決にいたるまで
    重厚、異形な警察小説である。
    死を騙る男 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:死を騙る男 (創元推理文庫)より
    4488217036
    No.2:
    (4pt)

    狂信的連続殺人犯と対決する困難を抱えた田舎町の女性警察署長

    「北アメリカの純文学作家の変名」という情報しかない、インガー・アッシュ・ウルフのデビュー作にして緊迫の力作。

    とにかく全編にわたって異様な雰囲気の漂う作品である。カナダ太平洋岸の地方都市で個人的な教会を運営するサイモンと名乗る狂信的な司祭が、不治の病に冒され余命いくばくもない人びととネット上で死の契約を結び、彼らを順番に、特異な方法で殺して大陸を東に進んでゆく。トロントにほど近い田舎町ポート・ダンダスで11月、その十何番目かの“儀式”が執り行われた。被害者は末期癌の81才の老婆。

    捜査に当たったのは本書のヒロイン・所轄の田舎町の警察署の署長代理で61才の警部補ヘイゼル。署は現場に立つ警官がわずか12人。凶悪な事件などめったに起こらない。統廃合の対象とみなされ、ヘイゼル個人は不本意な離婚を経験し、ひどい腰痛を抱えて鎮痛剤とアルコールに依存、87才の元町長の母親とふたり暮らしという設定である。

    彼女は、日をおかずに近郊でまた発生した殺人事件とこの事件の類似点から、連続殺人ではないかという疑いを持つ。やがて自分の所管の管轄を超えた、さらには職掌権限までも超えて、カナダ全土に広がる‘ベラドンナ’と名付けた犯人の凶状の捜査を進める。

    犯人の、死へと誘う異様な動機と、ヘイゼルたちの真相に近づく捜査の行方に、クライマックスのふたりの直接対決まで読者は思わずどんどん読み進んでゆくこと請け合いである。

    本書は、‘ベラドンナ’と死の契約を結ばざるを得なかった人々の苦悩を背景に、狂信的連続殺人犯と、苦闘を繰り広げるヘイゼルのふたりをドラマチックに描いた問題作である。
    死を騙る男 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:死を騙る男 (創元推理文庫)より
    4488217036
    No.1:
    (3pt)

    茫洋とした作品〜カナダの社会事情を垣間見られる点が唯一の取柄

    トロント近郊の田舎町の警察署長(代理)の女警部補を主人公とした異色の警察小説という触れ込み。当該警察署は統廃合候補の憂き目に会っており、かつその長が61歳の女性ヘイゼルである点が特徴であるらしい。ヘイゼルは私生活でも上手く行っておらず、逆境と闘う女性をテーマとしたものか。これに、サイコパスによる異教狂信的連続殺人が加わる。

    しかし、まずヘイゼルの性格が破綻している。全州にまたがる猟奇連続殺人事件が起きているのに、自らの保身のために自署内で事件を解決しようとする独善性と驕慢性。その上、アルコール依存症で仕事中にもアルコールを欠かさず、思考力・洞察力・統率力に乏しいため、捜査は行き当たりばったり。唖然とする他ない。一方、ヘイゼル達の捜査模様とカットバックで、サイコパスの行動・心理・境遇が描かれるが、造形が陳腐そのもので、こちらも呆然とする他ない。全体としてヘイゼルの私的物語を中心に描きたいのか、捜査過程・犯人との対決をスリリングに描きたいのかハッキリしない点も作品を茫洋としたものにしている。かなりの頻度で挟まれる風景・人物描写は丹念とも言えるが、些末な点を書き込み過ぎていて、作品のモタモタした印象を増長していると思う。それでいて、舞台の田舎町や主要登場人物を鮮明には描き切っていないのである。

    普段触れる事のないカナダの社会事情(イギリス系・フランス系住民間の確執など)を垣間見られる点が唯一の取柄か。原住民居住区を舞台として登場させている辺り、本来は無縁社会、孤独死を含む高齢者問題・人種問題等を主眼とした社会派を目指している作家なのではないか。
    死を騙る男 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:死を騙る男 (創元推理文庫)より
    4488217036



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