東京の夜の街中で、撲殺して顔を潰すという猟奇殺人が、たてつづけに発生した。死体の手には、白い鳩のバッジが…。

県警捜査一課から所轄への異動が決まった澤村。

高層マンション建設現場のタワークレーンで篭城事件が発生。

山田浅右衛門の弟子である首斬り人の片桐京之助は、おゆきという女の斬首を任されることになった。

千坂道場の主・藤兵衛の元に、幼い姉弟が訪れた。ふたりの父親はかつての門弟。

高熱で病院の診察を受けた男が急死した。診断はインフルエンザで、処方された薬を飲んだ矢先の症状の激変だった。

目黒の商店街付近で、若い男性が血を流して倒れているのが発見された。

吟味方与力の幼い息子が何者かに連れ去られた矢先、江戸有数の油問屋に夜盗が押し入った。

眼の壁に囲まれた密室―。衆人環視の中での殺人事件は、両国N大講堂で開催された全日本学生剣道大会の決勝戦で発生した。

柳原通りの斬り合いに、門弟が巻き込まれたという報を受け、現場に馳せ参じた彦四郎。

藤兵衛の妻・由江が営む料理屋「華村」を買い取りたいと三人組の男が現れた。

立ち合いを装い、武士を惨殺する辻斬りが相次ぐなか、「千坂道場」の師範代・重森は、下手人が同じ流派の遣い手という噂を耳にする。

南平班の菅原警部補が雑木林で惨殺された。胸に刻まれた十字形は挑発かそれとも見せしめか。

中西道場の同門・飯岡と行き会い、計画中の武芸所の師範役を乞われた藤兵衛は、時同じく「大塩党」と名乗る集団による強盗騒ぎを耳にする。

マンションの屋上から突き落とされた女子中学生。その死体は無惨にも切り裂かれていた。

義父・藤兵衛から道場を譲り受け、立派な道場主たらんとする責任感が重圧となってのしかかる千坂彦四郎。

同じ時刻に発生した三件の殺人事件。東京、埼玉、栃木の三ヵ所で車ごと焼き殺された三人の男は何者なのか。