「安土、約束は守ってくれよ」旧

電話ボックスで珍妙な行為にふける男を見かけたOLは…。

42歳は男の厄年。ルーティン化した仕事と無関心な家庭生活でだらけた心と体が、やがて災難を招く。

父親が「死んでやる」と言い残して家出、という記事が新聞に載る。一方、何の後ろ盾もない男が県議会選挙でトップ当選。

留守中に、頼みもしない植木屋が庭を掘り返していたという。

公文書には元号を使用しなければ罰せられるのだろうか。

電車の中で痴漢扱いされた上場企業の役員は、無実を証明しようという第三者の申し出を断わる。

外部からの音をいっさい遮断し、反響を殺してしまうという実験室に閉じこめられた男と女。

大手精密機器会社課長・守口は、愛人とのドライブ中に人を撥ねてしまった。

「あたくしたち、今日、第五回結婚記念日なの」指に結婚指輪の光る女性が誇らしげにいった。

「あなたは検察審査員候補者に選ばれました」高校教師・佐田のもとに届いた一枚の葉書。

中央日報の稗田は元駐日P国大使にかんするフランス紙の記事に興味を持った。日本人ハイ・ホステスとの関係で離婚騒動とか。

羽田発札幌行の大型旅客機が岩手山ろくで墜落した。遭難者名簿の中に、愛人と同姓同名の女性を発見した男は首をかしげた。

一握の砂が見る向きによって沈んだり輝いたりするように、身の回りの些細な出来事も、光の当たる角度によって全く違う姿を見せる。

非合理が通る社会は、推理小説の存在をも危うくする。

キャリアの新人警部補・桜川が大藤署にやって来た。

小泉法律事務所に届いた一通の手紙。差出人は福島武彦。

新米刑事古賀は姉の住む団地で見かけた素敵な美人の名前を聞いてびっくりした。

Mデパートに勤める野上美樹子は友人の島晴代から、願ってもない転職を持ち掛けられた。それは、ある新興商社の専務秘書。