天上天下 赤江瀑アラベスク1



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    初公開日(参考)2020年12月
    分類

    長編小説

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    天上天下 赤江瀑アラベスク1 (創元推理文庫)

    2020年12月21日 天上天下 赤江瀑アラベスク1 (創元推理文庫)

    今なお多くの作家から敬愛される幻想小説の巨星・赤江瀑。その多彩な業績のなかから稀代のアンソロジストが厳選した珠玉を全三巻に集成する。第一巻には、泉鏡花文学賞受賞作『海峡―この水の無明の眞秀ろば』、初文庫化となる円熟の傑作『星踊る綺羅の鳴く川』、幻のオカルティック・ロマン『上空の城』と、赤江文学の精華となる三編にエッセイとロング・インタビューを併載。(「BOOK」データベースより)




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    No.1:
    (5pt)

    赤江瀑の鏡花戯曲風三部作が一堂に! 妖し(あやし)の魔の虜(とりこ)となりて、言の葉の海にただよふ。

    赤江瀑の長編、「海峡──この水の無明の眞秀(まほ)ろば」(1983年、初出作品)、「星踊る綺羅の鳴く川」(2000年、初出作品)、「上空の城」(1977年、初出作品)の三本をメインに収録した一冊。
    なぜ、この三本なのか。巻末の編者解説(東雅夫)によれば、《赤江瀑の鏡花戯曲三部作を選出できないものだろうか。》というところから、この三作をひとつのアンソロジーに収めるアイデアが兆したとのこと。具体的に、泉鏡花のどの作品が該当するのかといえば、「天守物語」「夜叉ケ池」「海神別荘」という〈妖怪戯曲〉三部作と、本文庫収録の三編とに、一脈も二脈も通じているものがあるのではないかと。そこに端を発したアンソロジーとのことです。

    四百年前の血天井のくだりに格別の妙味を感じた「海峡──この水の無明の眞秀ろば」、闇の暗黒界に花開くかの如く現れたる歌舞伎の妖怪眷族(けんぞく)が魅力的な「星踊る綺羅の鳴く川」と、いずれも堪能させられましたが、とりわけ心に刺さったのが「上空の城」、これでした!
    記憶の中の城、壁が黒々と塗りつぶされた城を追い求めずにはいられない女性、螢子(けいこ)の苦しみ、葛藤、惑乱、そういった感情が、語り手の眉彦(まゆひこ)の目を通して痛いほど伝わってきて、強く心を揺さぶられたんです。螢子の記憶の中にあるこの城の正体を知った時、「ああ」と、と胸を突かれました。今回、久しぶりの再読だったのですが、これはやはり名作だなあと、改めてそう思いました。

    あと、エッセイが三本、「わが街、蠱惑(こわく)」「伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)」「桃源郷の罠」(いずれも、『オルフェの水鏡 赤江瀑エッセイ鈔(しょう)』より採られています)と、「赤江瀑インタビュー」(初出は『幻想文学 第57号』アトリエOCTA、2000年2月発行の季刊誌。東雅夫氏がインタビュアーを務め、2000年1月30日に、下関にておこなわれたもの)が収録されています。
    「赤江瀑インタビュー」はほとんどすべて、初出の季刊誌の特集「伝綺燦爛(でんきさんらん) 赤江瀑の世界」から抜いたものですが、なぜか最後の二つの質問と答えの箇所が、本文庫には収録されていません。幸い、わたしは当該季刊誌を持っているので、ここに抜き記しておきます。

    《(東)せっかくの機会なので、いささか訊きにくい質問をひとつ。近年、耽美小説の大御所などと、ときに言われることに対して、どのように感じているのだろうか。
    (赤江)それほど耽美の作家ではないと思っています。半分はしようがないかと思いますが、半分は、耽美という言葉には満足ではありません。というか不服ですね。
    (東)ちなみに今回の特集の惹句(じゃっく)──「伝綺燦爛」の御感想は(笑)。
    (赤江)耽美も伝綺も言語としては素晴らしい。非常にいい言葉なのですが、私の作品にはまっているかどうかというと、ちょっと違うのではないかな、と本人は思ったりします。ただ、人間の世界で、自分の創ったものを世に出して仕事をしていれば、少々の波、自分の不満足な波が来たって、どうってことありません、という面もどこかにありますから(笑)。全部が全部、満足して悦に入って、というようなことは言っておられませんし、そうしたいとも、またなりたいとも思わない。どういう言葉をおつけになってもかまわない、と思うんです。
    要するに、私が手放した作品、世の中に出した作品というのは、私を離れて存在するものだから、その作品だけが何かを言ってくれたり、或いは言ってくれなかったりする、それでいいんだと、そういうふうに──綺麗事じゃなくて、私はそういうふうに思う体質の人間なんですよ。》
    で、インタビューのこの締めくくりを記した文章の下に、赤江瀑氏直筆の書を写した写真が掲載してあって、その書には、「われは海の子、虚空の子」としたためられています。

    なお、本文庫のタイトルである「天上天下」には、(てんじょうてんが)のルビが、本書奥付けにふられております。
    天上天下 赤江瀑アラベスク1 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:天上天下 赤江瀑アラベスク1 (創元推理文庫)より
    448850504X



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