神のはらわた
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初版刊行(参考)
種別
長編
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あらすじ
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評判
神のはらわたの評価:
0.00/10点 レビュー 0件。 - ランク
神のはらわたの総合評価:
6.00/10点 レビュー 2件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
Amazonレビュー
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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前作『死の仕立て屋』と本作のこのシリーズ二冊には、特にシリーズ名やそれを想起させる定型の題名もないので、前作を読まずに本作をたまたま手に取ってしまった人もいるのでは?
実はわたしも危ないところだったw
もしそうなっていたら、冒頭近く、女刑事ローラの頭の奥底に云々(その視点は太字で表記)がされ始めて、かなり戸惑うことになってしまうw
これ、なんと前作の最後に射殺されたシリアルキラーの精神である……。
彼はローラの行動や精神に干渉することはできず、描写の端々からは、神/天/不可知の存在に与えられた罰であるようだ。
前作同様に、本作もシリアルキラーを含む多視点を頻繁にドリブルしながら進行していくが、ローラ内の彼も立派に主要キャラのひとりであるw
そのほとんどが、なんというか俗物に塗れた身も蓋もない内面描写に終始している。
主要キャラの中では、前作から引き続き登場のマルセル巡査が最も捜査官として有能で、考え方も安定しているように感じるが、その彼にしたところで、前作で妻があんなことになったというのに、その一年後にはナジャと再婚しているという……。しかもよく考えると、二つの男女関係は一部重なっている。フランス人(とマリ人)の間ではごく自然なのか?
捜査主任のジャン=ジャン(だったっけ)なんて、女と一発やることしか考えていないTHE俗物だが、しかしまぁなんだ、そういった俗物揃いの捜査チームは、まったく有能とは云えないものの、犯人確保に身体を張ることには、十分前向きなのが救いだw
一方、シリアルキラーにターゲットとして認知されたホームレスは、その風貌からイエスと渾名される男で、シリアルキラーの狂った理由に見合うものかは不明だが、実際にある程度の超常知の能力を持つことが点描されている。
こうなると、元々映画的な演出の著者の筆致もあって、これらの設定が結末に向けてどう動くのかが、半ば懸念、半ば期待となってリーダビリティにもなる。
ところが……見事になにも起こらないのである。
決してつまらないというわけでもない。
三人称多人数による視点の切替も、きちんとスリルやサスペンスの盛り上げに機能している。
しかし、思わせぶった不可知の設定だけでなく、主要キャラたちの俗垢塗れの心情も相まって、なんとも不安定な落ち着きのなさが印象として前に来てしまう。
著者としては何をやりたかったのだろう?
前作は、後のデクスターシリーズでのような作品を目指していたのかもしれないが、本作は――というか、前作末の予告から――不可知設定もブッコみながら、あえて(だろう)伏線として回収もせずに放置しているわけで、この混沌をまるごとブラック・ユーモアにしてごった煮感を楽しむべしといったところか?
少なくともわたしには、その実験的な手法はうまくいったようには見えないなぁ。