死の仕立屋
- 叙述トリック (11)
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<少しだけネタバレっぽい記述あり、注意> 本文中に具体的な地名はたしか出てこなかったと思うのだが、南仏の海岸で映画祭がどーのこーのと書かれていたので、カンヌもしくはその界隈のコート・ダジュール(リヴィエラの仏側)と思われる。 犯人を含めて、多くの視点を細かく切り替えながら構成されているのだが、南仏の有名なリゾート地が舞台とは云いながら、一様に皆、喧噪の中で日々汗を拭ってせわしく暮らしている中流以下の人たちの視点だから、作中にハイソな雰囲気や優雅さは皆無である。 このリゾート地に行ってみたいという思いが一切湧いてこないというのがなんとも……w さて、本作のジャンルは推理小説ではない。 警察小説と言えばそうなのだが、キビキビと組織だった捜査が指揮されるわけでも、セクショナリズムといった組織内の軋轢が描かれるわけでもなく、なにやら映画のTAXiシリーズに出てくるような緩い感じw 次々切り替わる視点人物の中に犯人も含むと上述したが、犯人視点で「小男」と表現される人物が、主人公マルセル巡査の視点の中に登場する彼の友人二人のどちらかだというのは、あからさまに何度も示されるので、フーダニットの興味は極小だ。 もちろん最後にどちらが「小男」の犯人なのかは明らかになるが、友人二人は明確にキャラ分けされているでもなくそこにサプライズはない。 中盤の目撃者の証言で、犯人と思しき人物が車に関係する名前だと開示されるが、そう云われても、どこが車関係なのかさっぱりわからんかったという悲しき個人的事情もあったりするw いずれにせよ、フーダニット興味――というか、叙述トリック的興味は、本作での著者の主目的ではない。 犯人視点でマルセル他登場人物の描写が頻繁に出てくるので、そこに生じる不穏なサスペンスが中心の物語である。なにしろ殺した被害者のパーツを繋ぎ合わせる<仕立屋>は、人肉をモリモリ食べるトチ狂いっぷりだというのに、そんな輩が他人視点では普通の人と変わらず描かれるという怖さがある。 著者は幼少時代から映画に馴染んでおり、その多様なジャンルとエンタメ性はその賜物だが、本作のビジュアル的なグロさは、とてもそのまま映画にはできない。【注1】 あるいは、それが本作のテーマだったかも。 そして、続篇に繋げる意図をエピローグに明確に示しながら、こちらの頭を???とさせるという……。 【注1】劇場型シリアルキラーのグロい所業の映像化というのは、ショウタイムが製作した『デクスター』(2006~)でかなり再現された。そう云えば、あちらの舞台もマイアミというリゾート海岸地帯だったし、犯人の魔の手が主人公の家族に及ぶというのも共通している。ジェフ・リンジーの原作小説初巻は本作の四年後の作品だし、リンジー及びドラマのスタッフが本書に影響を受けた可能性は結構ありそうだ。ただしむしゃむしゃもぐもぐするのは、あのドラマシリーズでもさすがになかったような。 | ||||
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少し後悔したほどにグロテスク。この悪趣味さの目的は何だ? 不快さをこらえて読み進めてしまったのは、その目的をしりたかったからに他ならない。 | ||||
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