維新始末
評判
維新始末の評価:
3.86/5点 レビュー 7件。 C ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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維新始末の評価:
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前作の舞台であった天保の改革から約20年という時間の経過を上手く利用して、過去の関係者のうち使いにくい者は死んだり隠居したりで登場させない、という設定は上手いと思う。
また食い詰め浪人を操って江戸市内で騒乱を起こし幕府を挑発しようという益満と、なんとか江戸の平安を守ろうという天満屋幸吉、水屋藤兵衛ら顔役および主人公との剣戟も読み応えがある。
ただ長年の友人であった天満屋を殺された主人公は兎に角、益満にしてみれば御用盗の食詰め浪人等使い捨ての道具に過ぎない筈なのに、彰義隊討伐の戦場の持ち場を放棄してまで扇太郎と戦う理由が良く分からない。扇太郎が天満屋殺しの背景を知っているという理由のようだが、御用盗が薩摩の傀儡であることは周知の事実だし、その状況でお目見えもできない貧乏御家人が何を騒ごうが黙殺すれば良いだけのことだろ。
彰義隊討伐時の混乱の中で益満と扇太郎が雌雄を決するという設定に持込むためかもしれないが、それだけならこんな設定にする必要もないように思う。
また
益満:薩摩:幕府を挑発するため食詰め浪人を御用盗に仕立て暴れさせる
↓
顔役:縄張りを守るため御用盗に対抗
↓
益満:薩摩:邪魔する顔役を排除しようとする
↓
扇太郎:親交のある顔役を守るため御用盗と闘うが、天満屋を守りきれず
という流れだから、扇太郎が益満を狙うのは当然としても、益満が扇太郎と雌雄を決するため戦場を離脱までしなければならない理由が???
益満が御用盗を組織したのは、幕府を挑発して武力倒幕に持込むという以外の理由(江戸占領後の豪商、吉原等排除)もあるというのも分かりにくい、というか不要だろ。幕府に直接物申すだけの力があるから・・という理由らしいが、その幕府自体を叩き潰すのだから、幕府に直接もの申する力なんてのは無意味になる(現に無意味になってるしw)。
何でこんな理由をつけたのか読みながら疑問だったかが、後書きで政治問題や憲法問題を持ち出しているのをみて、今の政治状況の批判をしたいがためにこんな不自然な設定をしたのではないかと疑いたくなった。
上田センセイの本は、肩の凝らない軽い娯楽小説なんだから、変に政治だの経済だのを意識しない方が面白い作品になると思うんだけどねぇ・・・