烏は主を選ばない
評判
烏は主を選ばないの評価:
3.56/5点 レビュー 54件。 C ランク
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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全31件 21〜31 2/2ページ
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烏は主を選ばないの評価:
3.56/5点 レビュー 54件。 C ランク
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二作目の「烏は主を選ばない」では、男たちは「主」を選ぶ自由が一応はあります。ここが、一作目と二作目の大きな違いです。選ぶ自由がある男たちには、「私」があります。より大きな権力を得るため、策を練り、行動し、敵対するものを滅ぼそうとします。読む側の私は、読んでいるうちに、いったい何のために彼らは争いを続けているのかわからなくなってきます。
世のため人のため、平和のため、そういう大義名分さえないのです。ただ自分の欲ために「主」を利用しているだけ。
この物語の争いのそもそもの発端は、先代の金烏代(若宮の祖父)が若宮を「真の金烏」と言い出したことにあります。なぜ、そう言い出したのか?その答えを導くのがこの物語です。
山内の四家の領主たちが主(兄宮か若宮か)を選ぶ、それよりも「主」(兄宮と若宮)が信頼できる「味方」を選ぶのは、もっと難しい。先代は骨身にしみて、それがわかっていたのだと思います。
その上、今上陛下(若宮の父)の為体、金烏代としての能力のなさ。四家による勢力争いが、ますます激化することを先代は見越して、弟である若宮を金烏だと言ったのだと思います。
兄宮である長束は、私欲を捨てられる人物であり、若宮の一番の味方になれると見越して。つまり、世のため人のため、山内の安寧のため、自分の欲をどれだけ抑えていけるかを考えた時、兄宮の方が上だということなのです。争いを起こさないためには、弟を金烏にし兄をその補佐にまわす、それが最善だと考えたのだと思います。
雪哉が「日嗣の御子の座を降りろ」と若宮に迫っても、彼は首を縦には振らない。良くも悪くもそれが若宮なのです。
山神さまが開いた山内という地を司るのが宗家、その宗家の長が金烏。ならば、山内という地にはたくさんの烏たち(人間たち)、民衆がいるのです。
その民衆が平和に安寧に暮らせるように、そう願い、祈り、行動するのが一族の長のはず、、、それを考えたら山神さまというのは、民衆なのかも知れないな、と思ったりしました。
男たちの物語は、やっぱり血生臭くて、読んでいると前作の女たちの姦しさが恋しくなりました。
女たちの物語と男たちの物語を一緒に描いていたらどうなっていたのかと想像してみたりしたのですが、女は女の哀しさ、男は男の哀しさがそれぞれ浮き上がる、ふたつの物語がやはり良いと思います。