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(短編集)

童女入水



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童女入水の評価: 5.00/5点 レビュー 3件。 -ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点5.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全3件 1~3 1/1ページ
No.3:
(5pt)

野坂は恐ろしい

表題作以外にも、人間の本質に迫った、心の闇を描き出す作品が目白押し。それは戦後何年、何十年といったわずかな期間で変わるはずのものではない。なのに何故いまの作家にこれが書けないのか。野坂自身の過酷な体験、それによって培われたヒトを見る目。焼夷弾は街を焼け野原に変えただけではなく、人間の皮を剥き、深層の獣性を露出させてしまったのか。獣らしさこそが人間らしさなのか。
童女入水―野坂昭如ルネサンス〈7〉 (岩波現代文庫)Amazon書評・レビュー:童女入水―野坂昭如ルネサンス〈7〉 (岩波現代文庫)より
4006021186
No.2:
(5pt)

普遍性を追求する作家

表題作は今話題の(?)ネグレクトについて、
「これでもか!」といわんばかりに肉薄した
小説で、子供の虐待など、昔からたっくさん
あったこと、よくわかります。

ぼくの周囲にも、そんな出来事はありました。

今はマスコミが、子供に甘い親をバックにつけて
騒ぐだけ。
別に今の親が子に対して残酷になったわけでも、
その逆でもないのです。
野坂さんなら当然わかっていらっしゃることだと
思います。

野坂さんの小説には、スタイリッシュな実験性と、
泥臭い、と言いたいくらいシビアな現実認識があります。

野坂さんに影響受けたという町田康さんや川上未映子さんには、
スタイルはともかく、裏打ちされたシビアな認識や体験がない。

そこがもどかしい。

今、という時代を背景にして、ここに収められたような
小説が描けないはずはない、少なくとも、漫画はやってる。

もすこしみんな、野坂さん読み込むべきだと思います!!
童女入水―野坂昭如ルネサンス〈7〉 (岩波現代文庫)Amazon書評・レビュー:童女入水―野坂昭如ルネサンス〈7〉 (岩波現代文庫)より
4006021186
No.1:
(5pt)

野坂さん

例えば表題作は今ふうに言えばネグレクト、
について書かれた小説と捉えることが出来ますが、
野坂さんがお描きになる小説は何を題材にしても、
そんなトピックな話題を追って終わるような浅い
ものでなく、
人間一般について、大きな視点から描かれている、
と思うのです。

ですから、他の短編に70年代の公害問題を
あからさまに背景にした作品があっても、
時事問題をその場かぎりで使った
古びた作品と、シラけて読みとばさせない、
異様な迫力を感じさせるのだと、思うのです。

いちばん有名な戦争について書かれた諸作も
もちろんそうで、
60年代からずっと、その場その時代での
トピックな風俗を追いかけているだけに見せかけて、
実は野坂さんは、いつも普遍性のある事ばかり
描きつづける人だと感じるのです。

(ホームヘルパー、なんて単語を70年代初期
 から作中に使いながら、流行や先取りの
 飾りで使ったりしない!!)

野坂さんはまだまだ、理解も流通もまともに
していない大作家です!!

読まなくていいから、安ければ買っておこう!!

きっと20年後の宝になりますよ!!
童女入水 (中公文庫 A 15-3)Amazon書評・レビュー:童女入水 (中公文庫 A 15-3)より
4122003229

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