シルクロードの鬼神
評判
シルクロードの鬼神の評価:
5.00/5点 レビュー 7件。 B ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1〜12 1/1ページ
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シルクロードの鬼神の評価:
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少数民族に関心を持っているとはいえ、私にとっては難解な文章で、重苦しくもあり、途中で何度も中座し、別の書籍に手をだし、また戻って前のページから読み直し、上下を読み終わるのに数ヶ月かかっていました。しかし、その内容は強烈で、いかにチベット人などの少数民族が弾圧されてきたのか(今なお、その状態は続いているかとも思いますが)、その文化、寺院など物理的なものから心のなかの精神そのものまでが破壊されてきたのか、そのことを読み進んで知るにつけ、リアルな、匂うような肌身に感じさせる表現に触れ、自分の無知を愕然と考えさせられたものでした。そういう意味では文化大革命に翻弄された家族の物語「Wild Swans」(ユン・チアン著)を遙かに超える衝撃です。毎日を追われて生きている私の生活が空しくさえなりました。
それに比べて、2作目「Water Touching Stone」(邦題:シルクロードの鬼神)は、読みやすかったです。ひょっとして、まずこの2作目を先に読んだ方がとっつきよいのかもしれません。前編(上)では、さっぱり分からなかった一連の殺人事件の動機、意味も、後編(下)で、なるほどと腑に落ちる結末へ。さらに後編の後半に行くほどにスリリングで、一気に読み進むことができました。もちろん、この著者が多くの取材で得たのであろう、チベット人やウイグル人、カザフスタン人をはじめとする、中国「辺境」に生きる少数民族への視点は第1作と同様にしっかりとしており、その生活、考え方に触れることは、私たち日本で暮らしている者にとって、大きな衝撃であり、あえて言わせていただくなら、人生を考えさせられる作品であると考えています。
最近読んだ中では、神なるオオカミ・上神なるオオカミ・下(姜戎 著)に次いでの衝撃です。世の中には、すごい書籍がたくさんあるものです。作者は弁護士さんのようですが、1999年から数年に1作品ずつ、2009年の最新作までシリーズとして6作品出しています。次は邦訳されている3作目の「Bone Mountain」(邦題:霊峰の山)に進んでみようかと思います。チベットや少数民族に関心のある方、どうぞ、読んでみてください。私が年間100冊ぐらい読む本の中で、本当に心を打つ本にはそうそう出会えませんが、これは自信を持ってお勧めしたいと思います。