発行日：2013年03月25日

出版社：司凍季

ページ数：24P

【あらすじ】

寝台特急「あさかぜ３号」で身体中をメッタ差しにされた男の死体が発見された。 しかし死亡時刻、容疑者は瀬戸内海航路のフェリーに乗っていた――！ 船に乗っていた人間がどうやって寝台特急の男を殺せたのか？ 第１回　鮎川哲也「本格推理」　入選作 「正直の話、かくも出色の鉄道ミステリーを書ける人だとは思いもしなかった。 　アマチュアの投稿家に比べると格段に文章がうまい。すべての登場人物には血がかよっていて、耳をすませば彼らの息づかいまで聞こえてくるようだ。 　交通機関を用いてアリバイを偽造する話は、かつてわたしも試みたことがあるのだけれど、これがなかなか難しいものだった。司氏は鉄道ミステリーに不慣れなひと、もっと直截にいえば不得手な作家だとばかり考えていたのだが、どうしてどうして、時刻表をひと睨みするや忽ち新手のトリックを案出したのである」鮎川哲也氏評