二月三十一日
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原題 The Thirty-First of February 1950年発表 ジュリアン・シモンズは英国ミステリを代表する批評家でもあり、ミステリ史を語る上での必読書『ブラッデイ・マーダー 探偵小説から犯罪小説への歴史』(新潮社)の著者として知られるが、その持論「探偵小説から犯罪小説への移行は必然である」という主張の元に書かれた実作は日本では評価が不当に低いように思われる。 第一長編『非実体主義殺人事件』(論創社 原著1945年刊)はクリスピン風の高踏的ファルスというべき本格ミステリだったが、第四長編たる本書がその犯罪小説理論の実践の嚆矢となった。 広告会社部長アンダソンの妻が地下室の階段から転落死する。事故死として処理されたが直後からアンダソンの身辺に不可解な出来事が多発する。恐怖と焦燥そして警察の追及の果ての主人公の運命とは・・・ 追い込まれていく主人公の絶望感の描写は迫力に満ちている。ただしブラックユーモアというにもいささか苛烈すぎるほどの結末が待ち受けており読後の後味は辛辣きわまりない。読者を相当に選ぶ作品には間違いないが、旧弊な探偵小説の枠を打破しようとする著者の実験精神は如実に伝わる。 単なる謎解きの駒としての人間描写、予定調和からの脱却を念頭に置いた著者の主張は、濃厚な心理描写にウエイトが置かれた昨今の北欧ミステリの人気ぶりなどを見ても間違ってはいなかったのではないかと思われる。 | ||||
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